2018.12.28

来年こそは明成を再び頂点へ…2年生SFの木村拓郎「大変な時にみんなを助けたい」

帝京長岡戦でいぶし銀の活躍を見せた木村[写真]=加藤誠夫
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 前回王者の明成高校(宮城県)が敗れた。「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準々決勝で帝京長岡高校(新潟県)に60-69で敗れたのである。

 帝京長岡のケイタ・ガンディオウラ(3年)に制空権を握られ、そちらに注意を向けると神田龍一のドライブや品川廉椎(ともに3年)の3ポイントシュートを決められる。明成も田中裕也(3年)の3ポイントシュートなどで追いあげようとするが、明成らしくないミスを繰り返し、点差を大きく縮められないままゲームを終えた。

 そのなかでいぶし銀の活躍をしていた選手がいる。スモールフォワードの木村拓郎(2年)だ。

 持ち前のフィジカルなディフェンスとリバウンド、要所でアーチの高いジャンプシュートを決めて、得点をつないでもいた。本人も「自分はドライブとか体を使ってチームを活気づけて、リズムを作ったり、勢いづけていくプレーヤーだと思っているので、ディフェンスとかリバウンドとか影のことをがんばっていきたい」と言っている。そういう意味では彼は自分のプレーを全うしていたと言っていい。一方で誰か1人が自分の仕事を果たしたとしても、試合に勝てなければその意味は薄れる。そう考えれば、彼も今日の結果には満足していないだろう。

「チームが大変な時に支える選手が強い選手だと思います。自分はチームが大変な時にがんばって、みんなを助けたいんです」

 この負けはきっと木村をさらに大きくする糧になるはずだ。

決して派手な選手でないが、明成には欠かせない存在だ[写真]=加藤誠夫

 派手なプレーヤーではない。得点を量産するタイプでもない。ただチームメートが攻めやすいよう絶妙なフロアバランスを取り、ドライブでチームの得点シーンを演出し、積極的にリバウンドに絡んでいく。いわば“玄人好み”の選手だが、だからこそ今の明成には欠かせない存在なのだ。帝京長岡戦でも4つ目のファウルをコールされるまでベンチに下げられることがなかったのは、佐藤久夫コーチに信頼を置かれているからだろう。

 青森・藤崎町立藤崎中学校から明成高校に進路を決めたのは、中学生の時に見た明成の試合で佐藤コーチの情熱的なコーチングに触れたからだ。情熱的なコーチングはすなわち温かくも厳しい指導にもつながるのだが、木村はそれを歓迎している。

「先生が厳しく指導してくれているのは自分たちのため。だから素直に受け止めて、もっと強くなりたい」

 187センチのスモールフォワードは体も心も強くして、来年こそはチームを再びの頂点に導きたいと考えている。

文=三上太

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