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名門・桜花学園高校でエースを張る平下愛佳(3年)。177センチながら走力があり、自身が得意とするジャンプシュートや1対1を武器に得点を稼ぐ点取り屋は、8月14日から17日の期間、都内で行われた「第11回バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・キャンプ・アジア2019(BWBアジア)」に参加した。
アジア太平洋地域の17歳以下の男女選手64名が集結し、NBAとFIBAの現役選手、引退選手、コーチから直接指導を受けられる同キャンプ。日本人では男女計8名が選ばれ、女子は平下に加え林真帆(岐阜女子高校3年)、荻田美(京都精華学園高校2年)がメンバーに名を連ねた。
アンダーカテゴリーの日本代表にも名を連ねる平下は、これまで国際試合の経験はあるが、こうして海外の選手たちと仲間として一緒にプレーする機会は初めてだった。当初は言葉が通じず、なかなか日本人以外の選手たちとのコミュケーションが取れなかったものの、日を追うごとに少しずつ自分から声をかけられるようになった。
最上級生となった今年、キャプテンとしても桜花学園を引っ張るエースは、普段の練習から積極的に声を出してチームをまとめる役目を担っている。それでも、BWBアジアをとおして「他の選手が常に声を出して練習を盛りあげてくれて、ミスをしても『大丈夫だよ』という感じで励ましてくれました。そういうところは自分のチームに戻った時に、もっとやっていかなきゃいけないと感じました」と、さらなる刺激を受けたようだ。
プレー面については、今回のキャンプでこんなことを意識したという。「日本人は小さくてスピードで勝つしかないと思ったので、どんどん走ってドライブやスピードで切っていくこと」。チャレンジすることで新たな課題も見つかった。「中にドライブにいった後のシュートがいつものように決まらなかったり、抜いたのにシュートまでいけなかった場面もありました。もっと工夫してダブルクラッチとかの技を身につけなきゃいけないと思いました」。
今夏のインターハイでは連覇を果たし、通算24回目の同大会優勝を飾った桜花学園。「絶対に3冠を獲得することが、自分の中での1番の目標」と平下も言うように、“女王”は当然、秋の国体(国民体育大会)、そして冬のウインターカップ優勝を視野に入れる。
国体は今年から参加資格が16歳以下になるため後輩たちに託すことになった。だが、BWBアジアでまた1つ貴重な経験を積んだ平下は、エースとして、そして主将として2016年以来となるチームを3冠へ導くべく、これからも歩みを止めない。
文=小沼克年