2019.10.27

市立船橋が2年ぶりのウインターカップへ、決勝で敗れた日体大柏は連続出場ならず

3年生の活躍で日体大柏に競り勝った市立船橋
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 10月26日、船橋アリーナにて「平成31年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会 (ウインターカップ2019)千葉県予選会」の男女決勝が開催された。

 今年は計2校がウインターカップへ出場できる女子と異なり、男子の枠は1つのみ。その座を船橋市立船橋高校と日本体育大学柏高校が大会最終日に争い、64-61という接戦の末に市立船橋が出場権を手にした。

 市立船橋は同点でスタートした第2クォーターで主導権を握り、前半を9点リードで折り返す。この時点で斉藤智海コーチは、「前半に点差を離せたことで、後半はもっとリラックスしてできると思っていた」という。

 第3クォーターでも相手を揺さぶってフリーでシュートを打つシチュエーションをつくったものの、「フリーになりすぎて、彼らの真面目さが邪魔して逆に力が入っていた」(斉藤コーチ)と、肝心なシュートが入らない。この10分間は序盤で3-10とされ、市立船橋はたまらずタイムアウトを請求した。

「肩の力を抜きなさい」

 斉藤コーチの言葉で選手たちは落ち着きを取り戻す。しかし日体大柏も譲らない。中盤以降は点の取り合いとなったが、第4クォーターを前に52-54と逆転を許してしまった。

 それでも、勝負の最終クォーターは、もう一度自分たちのバスケットを遂行することに焦点を合わせる。ボールマンへのプレッシャーをより強めて相手のミスを誘うと、速い展開から樋口陸、和田将英、永野雄大(いずれも3年)が立て続けに得点を奪って一気に8点リードを奪う。最後まで追いすがる日体大柏から逃げきって、試合終了のブザーを聞いた。

市立船橋は要所での3ポイントも光り、相手を振りきった

 大一番をものにした市立船橋がウインターカップ出場権を獲得したのは2年ぶりのことだ。昨年のウインターカップ予選では準決勝敗退。その時の相手も日体大柏であり、日体大柏は予選を勝ち抜いて5年ぶり2度目のウインターカップ出場権を決めた。

「去年の負けを近くで見ていた今の3年生が“負けたら終わり”ということを一番感じていたと思います。彼らが日頃から切磋琢磨して、自立してやってきた成果が出ました」

 そう勝負どころで力を発揮した3年生たちを褒め称えた斉藤コーチは、2018年から同校の指揮を執る。つまりはコーチとして初のウインターカップに挑むことになる。

「もう一度チームの基本に戻ること。全国的にはサイズが小さいので、小ささを武器にできるような戦い方を確認したい。目標はぶらさずに『最終日、最終試合』までいけるようなチーム作りをしていきたいです」と斉藤コーチは意気込み、冬の初舞台を見据えた。

日体大柏は、あと一歩のところでウインターカップの夢を絶たれた

【試合結果】
市立船橋 64-61 日体大柏(@船橋アリーナ)
市立船橋|19|22|11|12|=64
日体大柏|19|13|22|7|=61

取材・文=小沼克年

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