2020.11.22
12月23日から武蔵野の森総合スポーツプラザとエスフォルタアリーナ八王子で幕が開ける「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。今年度から出場チームが例年の男女各50チームから60チームに拡大し、頂点までの道のりは一層険しくなった。そんな高校バスケット界最高峰の大会を前に、バスケットボールキングでは今大会で注目すべき選手を紹介していく。
■ウインターカップ男子注目選手(2)米須玲音(2年/東山高校/京都)
「あいつの魅力は絶対的なアシストです」
指揮を執る大澤徹也コーチの言葉どおり、米須玲音の魅力は何と言ってもパスだ。
東山高校のゲームメイクを担う2年生ポイントガードは、広い視野からディフェンスが予測しづらいタイミングでチームメートにパスを供給する。もちろんパスだけでなく、状況を見極めて自らがゴールへアタックすることもできる選手である。
今年の東山は米須とムトンボ・ジャン・ピエール(2年)の軸に加え、松野圭恭、脇阪凪人(ともに3年)、中川泰志(2年)の5人が先発に並び、どこからでも得点できることが最大の強み。そしてこれは変幻自在なパスが出せる米須とっても好材料だ。
「1年生の時は周りにあまり攻める選手がいなくて、ピックを使って自分で攻めたり、パスしたりすることが多かったです。だけど、今年は全員が得点できる選手なので、最初は周りにやらせて、調子が良かったらそのまま任せています。ウインターカップ予選の洛南(高校/京都府)戦でも周りが走って点数を取ってくれたので、自分は4得点でしたけど、結果的に14アシスト。今年は誰に出してもいいかなって感じなので、やりやすいですね」
1年生だった昨年のウインターカップは、米須にとって悔しい思い出しかない。2回戦の福岡第一高校(福岡戦)との試合で、ライバル視する河村勇輝(3年)とのマッチアップで計12個のタームオーバーを犯し、チームも54-83で敗れたからだ。しかし、今年のインターハイでは同じ相手を最後まで苦しめ、10月に新潟県で行われた胎内カップでは76-59で勝利した。今シーズン、東山は高校生チームとして唯一福岡第一から勝ち星を挙げており、ウインターカップへ向けて弾みをつけている。
それでも米須は、「ウインターカップで勝たない意味がない」と福岡第一、ライバル・河村との再戦へ向け気を引き締め直す。「まだ勝ったという気持ちは全然ないです。ウインターカップで勝てば本当の勝ちになると思うので、第一を倒して優勝したい気持ちはあります」。
ともに勝ち進めばウインターカップ準決勝で相対する東山と福岡第一。そして高校生活では最後となる米須vs河村の対決は、今大会のハイライトになること間違いなしだ。
文=小沼克年
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