2022.06.13

関東大会女子は明星学園と千葉経済大附が勝負強さを発揮して3連勝

明星学園を引っ張るガードでキャプテンの池田凛 [写真]=田島早苗
フリーライター

「令和4年度関東高等学校女子バスケットボール大会 兼 第76回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会」が6月11、12日の期間で日環アリーナ栃木にて開催された。AブロックとBブロックに分かれたこの大会は、男子と同様にコロナ禍により決勝戦は行われなかったが、出場した全32チームが熱戦を繰り広げた。

 Aブロックの準決勝へと駒を進めたのは東京と千葉の各2チーム。「明星学園高校vs.市立柏高校」「千葉経済大学附属高校vs.東京成徳大学高校」という組み合わせとなった。

群を抜く強さで3試合を勝利した明星学園

 関東大会の東京都予選を1位で通過した明星学園は、初戦の久喜高校(埼玉県)との試合から危なげなく勝利(102-47)。大会2日目の準々決勝・昭和学院高校(千葉県)戦でも、出だしからアダム アフォティヤ(3年)の高さや鶴丸聖奈(3年)の速攻などで先行。その後も昭和学院に付け入る隙を与えず、119-60で大勝した。

 迎えた準決勝は、市立柏(千葉県)と対戦。この試合では、センターのアフォティヤがリバウンドシュートを立て続けに決めて幸先良いスタートを切る。だが、その後は石井絵麻(3年)がリバウンドなど積極的なプレーを見せた市立柏に粘られ、引き離すことができない。さらに第1クォーター終盤にはアフォティヤがファウル3つとなりベンチへ。

明星学園戦では10得点10リバウンドの市立柏・石井絵麻[写真]=田島早苗


 しかし、ここで総合力の高さを発揮した明星学園は、積極的な攻めから相手のファウルを誘い、そこで得たフリースローで着実に加点していく。また、足を使ったハードなディフェンスで相手の攻撃を防ぎ、前半終了時点で44-19と大きくリードした。

 後半に入っても池田凛(3年)や鶴丸らがアグレッシブなプレーでけん引。そのまま勢いは衰えることなく、86-43で明星学園が勝利を収めた。

攻防において大事な場面での働きが光った明星学園の鶴丸聖奈[写真]=田島早苗


「今大会は内容を重視しました。内容が悪い時は(選手みんなで)話し合い、考えながら戦うことができていました」と語ったのは明星学園の青木良浩コーチ。「トランジションを早くする」というテーマで臨んだ中、そのテーマにも一定の手応えをつかんだようだった。

 加えて、タイムシェアをしながら戦いにも「シックススマンの選手たちが仕事をしていたし、(チームとしての)伸びしろを感じています」と選手たちの頑張り称えていた。

バランスの良い布陣とタフな動きを見せた千葉経済大附

 明星学園とともに3勝で大会を終えたのが千葉経済大学附属高校(千葉県)。初戦の鵠沼高校(神奈川県)戦では第1クォーターを20-3とし、試合を優位に進めると、73-57と16点差で勝利した。

 千葉経済大附は、翌日の準々決勝で東京都3位の八雲学園高校と対戦。第1クォーターで12点を奪い、またしても試合の入りに成功したが、第2クォーター以降は苦しい展開となる。八雲学園の薮未奈海、タンジャ マロ ナオミ(いずれも3年)らに得点を許すと、じりじりと点差を詰められてしまう。

 それでも、我慢の時間帯にリバウンドなどから活路を見出した千葉経済大附。最後はシュートチャンスをしっかりとモノにし、71-66で逃げ切った。

 続いて、東京都2位の東京成徳大学高校との準決勝は、伊藤紗友希(3年)のミドルシュートなどで好スタートを切る。第2クォーターではディフェンスも機能し、東京成徳大の得点を6得点に抑える動き。27点のリードで迎えた後半も攻防ともに運動量が落ちることなく、終わってみれば88-62と20点以上の差を付けて快勝した。なお、この試合は伊藤が33得点14リバウンドの活躍を見せた。

積極果敢なプレーを見せた千葉経済大附の川井田風寧[写真]=田島早苗


「初戦は堅さなどがありましたが、修正しながら段々と噛み合っていき、最後に良い試合ができたことは収穫です」と、大会を振り返った千葉経済大附の池端直樹コーチ。「ターンオーバーを減らす、フリースローなど確実なシュートの確率が良くなったと思います」とも付け足した。

 指揮官が「チームバランスがいいことと、まだまだではありますが、少しタフに戦える」と評する今年のチームは、関東大会の千葉県予選を1位で通過し、関東大会では全勝という成績を残した。今週末からは大一番となるインターハイ県予選が始まる。実力派チームがそろう県内において、「チャレンジ精神を失わずに臨みたいです」と池端コーチは気を引き締め直していた。

 写真・文=田島早苗