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11月12日、「U18日清食品トップリーグ2022(男子)」が愛知県の中村スポーツセンターにて行われ、ここまで全勝の福岡第一高校(福岡県)と仙台大学附属明成高校(宮城県)とが対戦した。
全国大会では幾度となく名勝負を演じてきた両チーム。この日も互いに譲らず、第3クォーターを終えて63-62と福岡第一のわずか1点のリードとなる。
しかし第4クォーターに入ると、強度の落ちない福岡第一のディフェンスの前に仙台大明成はシュートを決め切れず。ミスから相手に得点を許すなど、最後は福岡第一に引き離され68-90で敗退した。
「自分と片原(飛斗)と内藤(晴樹)が中心となって、最初からガンガンやっていこうと試合に入りました。最初はいい場面もあったのですが、相手のディフェンスや速いプレーに押されてしまうことが多くあり、相手がいいペースで来たときに自分たちがどうやって落ち着いて返すのかというのが重要になってくると感じた試合でした」
この一戦をこう振り返ったのは仙台大明成の八重樫ショーン龍(3年)。U18日本代表として8月には「FIBA U18アジア選手権2022」にも出場したポイントゲッターだ。
U18日本代表ではシューターとしての起用だったが、今年の仙台大明成においては、3ポイントシュートだけでなくドライブやアシストなど、あらゆる面で攻撃の起点となる選手。
「自分がやれる最大限のことをやらないといけないし、アグレッシブにもやらないといけないと思っています」と本人も言うように、実際に福岡第一戦でも3ポイントシュート3本だけでなく、鋭いドライブからのシュートも沈めて19得点8リバウンド3アシストをマークした。
「相手はディフェンスがいいチームなので、そこで自分がドライブに行けたことは自信につながりました」と、八重樫。一方で、激しいディフェンスが武器の福岡第一に対し、「最後の方で何回か(ボールを)取られてしましました。前から当たってくるチームは福岡第一以外にも多くあると思うので、しっかりそこに対応していきたいです」とも語った。
八重樫は今年、仙台大明成のエースナンバーである背番号10を背負っている。
「歴代の尊敬する先輩方が背負ってきた10番を付けているので、もっともっと頑張っていきたいです」(八重樫)
特に同じ岩手県出身で、昨年のチームで10番を付けていた菅野ブルース(エルスワース・コミュニティカレッジ[NJCAA/全米短期大学体育協会])は個人的にも目標とする選手。
「あの身長であれだけアグレッシブにできるのはすごい。自分の方が背も低いので、その分もっともっとアグレッシブにできると思っていて、超えていきたいと思っています」と、声を弾ませる。
夏のインターハイ覇者・福岡第一との対戦は、チームとしても、個人としてもウインターカップに向けても貴重な経験となったよう。
「収穫は多かったですが、ミスも多くありました。これからの練習で課題を改善していき、今日良かったところはもっと良くしていって、ウインターカップにつながるようにしていきたいです」(八重樫)
チーム浮沈のカギを握る仙台大明成の10番は、冬に向けてさらなる飛躍を誓っていた。
取材・文・写真=田島早苗