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『B MY HERO!』
昨年からスターターを担う横山智那美(3年)の魅力は、高い得点力だ。力強いドライブを武器に果敢にリングへと向かったかと思えば、ディフェンスの状況を見ながらステップやフェイクを使ってのシュートなど、多彩な攻撃で得点を挙げていく。
とはいえ、横山の得意とするドライブは相手チームも知るところ。それだけに、「ドライブは警戒されているので、3ポイントシュートのアテンプトも増やしていきたいし、個人技を使ってディフェンスを崩すような1対1もやっていきたいです」と、横山は言う。
指揮を執る井上眞一コーチも横山の課題に「3ポイントシュート」を挙げており、ウインターカップ本番では、アウトサイドのシュート確率が得点面でのカギとなるだろう。
しかし横山は自らの得点だけでなく、ポイントガードとしてオフェンスを組み立てることも役割としており、好アシストでチームの得点を演出する。加えて、読みに優れたディフェンスでの貢献も大きく、あらゆる面で高いパフォーマンスを発揮しているのだ。
その中であえて、横山のプレーで注目してほしいのがリバウンドだ。自慢の跳躍力を生かしたリバウンドは、ガードとは思えない高い位置でボールをもぎ取っていく。大事な場面では必ずといっていいほどリバウンドに絡んでおり、これまでも幾度となくチームの窮地を救ってきた。
そんな卓越したスキルを持つ横山だが、チームのレベルアップに関しても意識的に取り組んでいる。例えば、優勝で終えた「U18日清食品トップリーグ2022」(女子は8月27日〜11月27日の期間で開催)では、192センチの福王伶奈(2年)に対してのインサイドへのパスを多く試みていたが、これは「今のうちにたくさんインサイドにパスを入れることで(パスを受ける)福王も慣れてくるし、福王にディフェンスが寄ったときの次の動きもできるから」という意図があってのこと。ウインターカップでの戦いをしっかりと見据えていたのだ。
インターハイでは後に大会を制する京都精華学園高校(京都府)に3回戦で接戦の末に敗退。夏も優勝候補筆頭だった桜花学園にとっては悔しい敗戦となった。
リベンジとなるウインターカップ。「周りの選手が楽に点を取れるように指示をしながら、自分自身も点を取っていきたいです」と、強い気持ちでチームを引っ張るキャプテンは、並々ならぬ思いで大会へと臨む。
文・写真=田島早苗