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『B MY HERO!』
イゾジェ ウチェ(3年)がはじめて日本の全国大会に出場したのは、中学校の3年生で出場した「第49回全国中学校バスケットボール大会」。京都精華学園中学校(京都府)の一員として優勝を目指したが、準々決勝で後に優勝する八王子第一中学校(東京都)に接戦の末に敗れてベスト8で大会を終えた。
柴田柑菜(3年)、八木悠香、堀内桜花、ディマロ ジェシカ(いずれも2年)といった現在のチームでも主力を担うメンバーたちは、このときから戦っていたチームメート。高校進学後もその仲間たちとともに日本一への挑戦を続けてきた。
昨年のインターハイはベスト4、ウインターカップでは準優勝と、あと一歩のところまで迫ると、今夏、香川県で開催された「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」で、見事日本一に輝いた。
「これまで勝つ機会もあったけれど、勝てなくて悔しい思いをしてきました。私たち留学生が結果を出すことができたら優勝できると思っていました」
インターハイ決勝後、中学からのことを振り返り、「結果が出せなかったことが苦しかった」と、語ったウチェ。初優勝となったインターハイでは、大阪薫英女学院高校(大阪府)との決勝で46得点19リバウンドを記録し、大会を通しても6試合を戦って1試合の平均が30.8得点と、高い数字を残した。
また、インターハイでは「5ファウルをしたらチームが困るから」と、ほとんどの試合でファウルトラブルに陥ることがなかったことも大きい。特に同じ188センチのセンターであるジェシカが大会中に足のケガを負っことで、インサイドは3回戦からはウチェが一人で担い、「リバウンド、ルーズボール、走ること、ゴール下で強く逃げずにシュートを決めることを頑張りました」と、気持ちのこもったプレーで最後まで戦い抜いた。
さらに、「チームを引っ張るようになった」と、本人が言うように、今年はキャプテンにも就任。責任感や精神的なたくましさが増した。
圧倒的な高さと強さに加え、高校3年間で走力やスキルなどを着実に身につけてきたウチェ。インサイドプレーやリバウンドシュートなど、リング下を中心に得点を挙げているが、インターハイ後にはシュートパターンを増やすなど、アウトサイドのプレーにも意欲的だ。
これまでも大会を経るごとにその存在を大きくしてきた京都精華学園のリーダーは、ウインターカップでは攻撃エリアを拡大して夏に続いての優勝を狙う。
文=田島早苗