2022.12.24

岐阜女子の堅守に屈した八雲学園のエース薮未奈海は「もっとガムシャラに、もっと泥臭いプレーを」

岐阜女子の堅守に得点を阻まれた八雲学園の薮(左)。次のステージでの活躍を誓った [写真]=日本バスケットボール協会
フリーライター

 ウインターカップ2日目に組まれたに矛盾対決は、伝統の堅守を発揮した盾が上回った。

 12月24日に行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の女子2回戦、岐阜女子高校(岐阜県)と対戦した八雲学園(東京都)は最終スコア50−76で敗戦。オフェンス力を持ち味とする同校は、前日の県立湯沢翔北高校戦では93得点を奪った。しかし、この日はわずか50得点に抑え込まれ、2回戦で姿を消した。

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「うーん……。悔しいっていうのが一番の気持ちなんですけど、自分の持っている力を最後まで力を出しきれなかったというか、 うまくいかなかった部分が多いまま終わってしまいました」

 敗戦直後、薮未奈海(3年)は涙を流しながら自身の出来を悔やんだ。薮は今年の八雲学園を象徴する絶対的スコアラーであり、なかでも魅力は178センチの長身から放たれる高確率のアウトサイドシュート。この日も第1クォーターから6得点を挙げ、立ち上がりは決して悪くなかった。

 だが、チームは第2クォーターからジワジワと引き離され、この10分間の得点はわずか「6」。相手に連続得点を奪われた場面では、薮がパスミスを犯し、ジャンプシュートをブロックされたことが起因となった。

「自分が空回りしてた部分がありました。相手のディフェンスも厳しかったですけど、 1個のミスが致命症になる試合だってことはわかっていたはずなのに、甘いところが出てしまったのかなと……」

 エースを担う自分が執拗なマークに遭うことは分かっていた。薮はその状況でも「自分がオフェンスの起点となってプレーすべきでした」と悔しさをにじませるが、それ以上に岐阜女子の鍛え抜かれたディフェンス力が素晴らしかった。第2、第3クォーター、薮は20分間コートに立ち続けるも、その間は無得点。高校生活最後の試合は、わずか9得点に留まった。

 入学当初から高木優子コーチに期待を寄せられ、その実力を全国の舞台でも披露してきた。今年はキャプテンを担い、U18日本代表にも選出された薮は、八雲学園での3年間をこう振り返る。

「全国大会を何回も経験させてもらって、自分自身も日本代表まで選んでもらいました。楽しかっただけじゃないし、辛かっただけでもないけど、本当にみんなに支えられたから3年間やってこれたので本当に感謝しかないです」

 最後は不完全燃焼だったかもしれない。けれど、「これでバスケ人生が終わりじゃない」と言うように、彼女の歩みは止まらない。

「もっとガムシャラに、もっと泥臭いプレーを積極的にできる選手になりたいと思いました。この悔しさをしっかり忘れないで次に繋げていきたいです」

 年が明けた2023年、青ではなく赤(デンソーアイリス)のユニフォームをまとった薮が、Wリーグで奮闘する姿を楽しみにしている。

取材・文=小沼克年

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