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「勝負は後半だと決めていました」
12月23日に行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の1回戦、開志国際(新潟)に66−47で勝利した浜松開誠館の三島正敬コーチは試合後のメディア対応でこの試合の作戦を明かしてくれた。
迎えた後半、浜松開誠館はオールコートのディフェンスを仕掛ける。前半は初戦の硬さからかリードしてもそれを広げることができなかったが、激しく当たることで足が動き出し、オフェンスのリズムもつかめるようになっていった。
「勝負どころで足が動くようになり、自分たちのリズムになったと思います。次第に相手のチェックも甘くなり、シュートが入るようになりました」(三島コーチ)
後半のスコアは、40−26。浜松開誠館にとっては会心の勝利と言えよう。
この試合、特別な思いでプレーをしていたのが萩原加奈(3年)だ。萩原は1年次からスタートとして活躍。今夏のインターハイでもキャプテンとして出場している。しかし、ウインターカップの県予選の前に右足小指の疲労骨折で離脱。予選の間は松葉杖をついて、チームを支えた。大会には間に合ったが、ケガが治った後、フルで試合に臨んだのがこの日が初めて。ぶっつけ本番でのプレーとなった。
それもあったのかもしれない。前半は思い通りにプレーできず、ベンチに下がる場面もあった。それでも後半に入るとチーム同様にペースをつかみ、23分出場で9得点をマーク。ディフェンス網を突破するドライブでチームに勢いをもたらした。
エースとして浜松開誠館をけん引してきた萩原だが、今回はチームメートに連れてきてもらったウインターカップ。萩原は「スタートで出してもらう以上、頑張らないと思いましたが、やっぱり緊張もあり、思い通りのプレーができませんでした。それでも『楽しもう』という気持ちに切り替えられました。やっぱり連れてきてもらったからには自分が勝たせられるように頑張りたいです」と、力を込めた。
スタートには下級生が入る布陣だけに3年生がリードする必要もあるだろう。「1年生は頼りになるんですけど、やっぱり初めての大会なので緊張すると思うので。自分は3回目なのでそこは自信持ってやっていきたいなと思います」と、笑顔を見せた。
明日12月24日の2回戦では千葉経済大学附属(千葉)との対戦が決まった。練習試合で戦った経験があるだけに、「お互いに慣れていると思います。相手のキーマンをどう抑えるか⁉ チームで守り方を話し合いたいと思います」と萩原は前を向いた。
取材・文=入江美紀雄