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『B MY HERO!』
12月27日に東京体育館で行われた「SoftBank ウインターカップ2022 令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の男子準々決勝第2試合。試合終了残り5分31秒に三浦健一の得点でリードを11点に広げた洛南高校(京都府)だったが、中部大学第一高校(愛知県)の激しいディフェンスを前にターンオーバーから失点を重ねると、同点を狙った辻永遠のシュートが外れ、71-73で敗れた。
西村渉、星川開聖、三浦健一の“190センチ台トリオ”を中心に、180センチ台の選手を多くそろえる洛南は、「令和4年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)」直前に来校したあるOBによって大きな変化が起こっていた。その男は2006年からウインターカップ連覇を達成し、2大会連続でベスト5に名を連ねた辻直人(広島ドラゴンフライズ)だ。
日本屈指のシューターとして知られる辻は、2021-22シーズン終了後のオフ期間を使い、『部活ピーポー全力応援!ブカピ!』(朝日放送テレビ)と『バスケットボールキング』によるコラボ企画で母校を訪問。自身が取り組んでいるシュートトレーニングを丁寧に伝授した。
ウインターカップでの3ポイントシュート試投数は2回戦の県立豊浦高校(山口県)戦こそ12本にとどまったが、そのほかの3試合ではいずれも20本超え。中部大第一戦も24本中11本を沈め、成功率は45.8パーセントと高確率を記録した。平均試投数を見ると、インターハイでは18.6本、ウインターカップでは21.5本。対戦相手や試合状況などによって戦い方に変化があるとはいえ、西村は「本数がインターハイの時よりも圧倒的に多くなって、そこに関してはチームの成長だと思います」と、確かな手応えを感じている。
辻の来校後、自主練の内容にも変化があったようだ。西村は明かす。
「スポットシュートだけではなく、ムービングしながら打ったり、ディフェンスのチェックがあるなかで打ちきったり、タフショットになっても打ったり。あとはシュートモーションを速くすること。意識してやっていこうと、みんなの気持ちが切り替わっていきました」
トム・ホーバスヘッドコーチが日本の選手たちに求めるように、バスケットボールでは3ポイントシュートが重要視されている。1人のBリーガーが高校生の意識を変化させ、彼らが全国の舞台でその成果を発揮した。
「日本一という目標は今後のバスケキャリアでも揺るがないもの。どこのカテゴリーに行っても日本一を目指して、その先の世界の舞台に羽ばたいていけるように頑張っていきたいと思います」
高校3年間のキャリアは幕を閉じたが、西村は前を向いて会場をあとにした。