2022.11.25
BリーグやWリーグの選手たちに、高校時代のことを振り返ってもらうインタビュー企画「トッププレーヤーの高校時代」。今回は京都府・洛南高校出身の寺嶋良だ。
兄の影響でバスケットボールを始めた寺嶋がどのように成長し、京都の名門へ進学することになったのか。前編・後編にわたってお届けする。
インタビュー・文=岡本亮
写真=B.LEAGUE
――まずはバスケットを始めたきっかけを聞かせてください。
寺嶋 バスケを始めたのは小学1年生の時です。3つ上の兄がやっていたので付き添うようになり、ついでに始めたという感じです。チームのルール上本来は4年生からじゃないと入れなかったのですが、特別に入れてもらいました。
――他のスポーツをやってみたいと思うことはありませんでしたか?
寺嶋 サッカーが好きで休み時間に結構やっていたのですが、本格的にやりたいとは思わなかったですね。もしバスケをしていなかったら、サッカーをやっていたと思います。
――ミニバスではどんな指導を受けていましたか?
寺嶋 はじめに入ったチームは練習が週に1、2回しかなく、とにかく楽しもうという感じでした。ですが、小3の時にもっと本格的に学びたいと思って隣町のチームに移り、その後さらに上のレベルでやりたいと思って小6の時にチームを変えました。
小6の時のチームは通うのに1時間くらいかかりましたが、東京都大会で優勝できましたし、高いレベルで戦うにはどうすればいいかというのを学べました。ただ、当時ミニバスの全国大会に「チーム内に4つの小学校の児童までしか所属できない」という「4校ルール」というものがあって。僕たちは6年生8人が全員違う小学校だったので、全国大会には出場できませんでした。
――小学校時代に頑張った練習は?
寺嶋 ハンドリングですね。中学からリングの高さが変わるのでハンドリングをやっておいたほうがいいよ、と言われたので。ハンドリングを中心とした基礎練習はずっとやっていました。
――小学校卒業後、梅丘中学校へ進学しました。
寺嶋 梅丘中は家から少し離れた場所にあったのですが、体験練習に行った時にすごく楽しかったんです。基本的に5対5の練習で、基礎練習はそんなにやらない感じで。それが楽しくて、ここで3年間やりたいと思って入学しました。
――梅丘中は杉浦佑成選手(滋賀レイクス)をはじめ、Bリーガーを多数輩出していますが、寺嶋選手は現役Bリーガーと同じチームでプレーしていましたか?
寺嶋 井上宗一郎選手(サンロッカーズ渋谷)や相原アレクサンダー学(香川ファイブアローズ)は僕が3年生の時に1年生だったので、一緒にやっていました。八村阿蓮選手(群馬クレインサンダーズ)も彼らと同い年ですが、僕が卒業した後に入ってきたので一緒にはやっていません。
――中学校の頃のプレースタイルは?
寺嶋 戦術は一切なかったので、とにかく1対1ばかりやっていました。エンドプレーもサイドプレーも、コールプレーなんて1つもなかったので、1対1ばかりでした。
――中学校での成績は?
寺嶋 3年生の時に東京都大会で優勝し、関東大会でも上位に入ったので全国大会に出場しました。あと、ジュニアオールスターにも選んでもらい、準優勝しました。
――小学校で出場できなかった全国大会を初めて経験し、どんなことを感じましたか?
寺嶋 「同い年でこんなにすごい選手がいるんだ」というのは実感しましたね。そこでますますやる気になったというか、こういう人たちとバスケットボールをしたいと思ったし、もっと上手くなりたいという気持ちになりました。
――中学卒業後は洛南高校へ進学しました。東京を離れて洛南高校へ進んだ理由を教えてください。
寺嶋 もともと洛南に憧れていたのもあったのですが、3つ上の伊藤諄哉さんが地元の先輩で。僕は伊藤さんの影響で梅丘に進んだので、その流れで洛南に行きたいな、と。伊藤さんとは被っていないのですが、彼が見た景色を見てみたかったんです。
――地元を離れることの不安や、環境の変化に対する戸惑いなどはありませんでしたか?
寺嶋 全くなかったですね。親元を離れるのもそんなに寂しさはなかったですし、そのぶん成長して帰ってきたいなという気持ちはありました。
――洛南高は全国でも名だたる強豪校ですが、入学後は練習についていけましたか?
寺嶋 洛南は試合や遠征に連れて行ってもらえるメンバーが12〜14人で、1年生でも2〜3人は連れて行ってもらえるんです。そこに入るのがすごくし烈な争いで、大変でしたね。いい経験を積むためにも「そこに入らなきゃ」って思っていたので。
――初めてメンバーに入れたのはいつだったのですか?
寺嶋 結構早い段階でメンバーに入れてもらい、5月の能代カップに連れて行ってもらいました。能代カップはすごい選手ばかりで、3年間でここまで来れるのかなと思いましたが、楽しみでもありました。ワクワクしたのを覚えています。
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