2023.08.03

桜花学園の白石弥桜、大会途中から先発を担い大型センターと対峙…悔しさを糧にさらなる成長を

インターハイでは3回戦から先発を務め、インサイドで役割を果たした白石 [写真]=伊藤大允
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 7月25日から30日の期間で北海道札幌市にて行われた「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。惜しくも準優勝となった桜花学園高校(愛知県)の白石弥桜(2年)は、「ファウルが重なってしまいました。ファウルをしなくてもいいところや守れたところなど、練習をしてきたことを出せばもっとうまくできたと思うので、それができずに悔しいです」と、敗れた決勝戦を振り返った。

 白石は2年生になり、インサイドのバックアップメンバーとして6月の東海大会でも奮闘していた。迎えたインターハイでは慶誠高校(熊本県)との3回戦からスターターを担い、3回戦では約25分の出場で13得点11リバウンドをマーク。続く千葉経済大学附属高校(千葉県)との準々決勝では約28分の出場で23得点8リバウンド、そして大阪薫英女学院高校(大阪府)と対戦した準決勝でも約22分の出場で11得点11リバウンドを記録した。それだけでなく、相手のセンター陣に体を張ったディフェンスを見せ、攻防においてインサイドの柱としてチームを盛り立てた。

 しかし、京都精華学園高校(京都府)との決勝では、約12分の出場で4得点3リバウンドに留まり、「インターハイに向けて(高さのある)留学生を相手にしたパワープレーなどを練習してきたのですが、決勝ではそれが全然発揮できてなくて、結果を出せませんでした。教えてくれたコーチたちにも申し訳なかったです」と、悔し涙を流した。

決勝では思うようなプレーを発揮できず [写真]=伊藤大允

 ただ、先にも挙げたように、今大会では途中からスターターを担い、得点やリバウンド、そして相手の大型センターに対するディフェンスなど、白石がいなくては、決勝進出は叶わなかったといっても過言ではないほどの働きだった。

 大会を通して「自信になったのではないか?」。そんな問いに、白石は「はい」と答えながら小さくうなずいた。そして、「ゴール下で自分より強い相手が来ても、しっかりバランスを取って、シュートを決め切るとか、リバウンドに絡みにいくとか、4番(パワーフォワード)ポジションの選手との合わせの位置やタイミングなどは(大会を通して)練習してきたことが出せたと思います」と静かに語った。

 だが、「やっぱりまだ自分より強い人や、(数名に)寄られると、焦ってシュートが狙えなかったり、パスミスなども増えたりしてしまうので、自分の気持ちをコントロールしながらプレーできたら良かったと思います」と、決勝を踏まえて今後の課題を口にする。

 桜花学園は髙田真希(デンソーアイリス)や渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)、若手の選手でいえば朝比奈あずさ(筑波大学2年)など日本を代表するセンターをこれまでも数多く輩出してきた。その先輩たちも高校時代には、時に壁に当たりながら、悔し涙を流しながら成長を続けた。白石もまた、偉大なる先輩たちのように、今夏の悔しさをバネに、さらにパワーアップした姿を秋以降、見せてくれるに違いない。

文=田島早苗

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