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「令和5年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。2年ぶりの優勝を目指した桜花学園高校(愛知県)だったが、7月30日の決勝戦で京都精華学園高校(京都府)の前に敗退。準優勝で夏を終えることとなった。
昨年からの主力が多く残る京都精華学園に対して、桜花学園は高さと跳躍力のある188センチのディマロ ジェシカ(3年)を警戒し、ディフェンスに変化を加えて応戦した。しかし、「それが消極的にさせてしまった」(長門明日香コーチ)と、そこで生じたアウトサイド陣に対する緩みから、適時に3ポイントシュートを決められてしまう。すぐに「3ポイントシュートを打たれ出したところで前に出ようとしたのですが、出だしからディフェンスを引いていたことで出られなくなってしまいました。桜花らしいディフェンスに戻すのが遅かったです」と、長門コーチ。
また、ディフェンスでの消極性は「オフェンスの足も止まってしまった」と、攻撃面にも影響が出てしまい、攻防において後手に回ってしまう。そのまま、強みを出し切れずに敗戦。「選手を迷わせてしまいましたし、あんな悔しい形で終わらせてしまったのも私の責任です」と、長門コーチは言葉を絞り出した。
「受け身になってしまったことが一番の敗因だと思っています。ディフェンスで前から当たるのも遅かったと思いますし、(オフェンスでの)状況判断の課題だと思います」とは、キャプテンの田中こころ(3年)。
同じくキャプテンの黒川心音(3年)も「3ポイントシュートが入るなど相手が乗っていたところで、アジャストできなかったのは課題です。京都精華学園のオフェンスは強烈なので、自分たちも点を取っていかないといけないというときにオフェンスが停滞してしまいました。そこはポイントガードの私が(チームメートを)もっと動かせればよかったと思います」と、試合を振り返った。
最終スコアは65-88。試合後、20点以上付いたという現実に向き合い、2人は敗因や反省点、課題などをしっかりとした口調で発した。
大会ではスターターの松本加恋(3年)が3回戦で足を負傷し、準々決勝以降は不出場。メンバー変更を余儀なくされる中、総力戦で決勝まで駆け上がった。
「プレーについてはこれから映像を見ていきたいと思います。ただ、今大会はいろいろなことが起きる中でチームが一つになっていったと感じているので、そこは冬まで継続して、さらにまとまったチームにしていいきたいです」と、黒川。
「(主力に)下級生が多い中、全員が自信持って楽しくやれたと思うのでそこは一つの成長かなと思います。でも、気持ちが足りないと負けると思うので、技術だけではなく、気持ちの面でももっと成長していかないといけないと感じています」と、田中は発した。
夏は銀メダルに終わったが、この先も日清トップリーグやウインターカップと戦いは続く。頼れるキャプテンたちは、悔しさを内に秘めながらも次に控える決戦に向けて前を向いた。
取材・文=田島早苗
写真=伊藤大允