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『B MY HERO!』
この1年間、堀内桜花、八木悠香、ディマロ ジェシカは京都精華学園が誇る3本柱として強烈な光を放った。チームは2年連続でインターハイとウインターカップで頂点に立ち、3年生たちは笑顔で高校バスケを卒業した。
岐阜女子高校(岐阜県)と対戦した「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」決勝戦、京都精華学園は第4クォーターに堀内がバスケットカウントとルーズボールへのダイブで傾きかけた流れを食い止めた。最終盤には堀内のアシストに八木、ジェシカが応え、最終スコア63−59。最後は3本柱で締めくくり、歓喜の瞬間を迎えた。
先輩とともにスターティングファイブを務めたのは、昨年から主力を担う橋本芽依と桃井優の2年生コンビ。今回のウインターカップに限らず、京都精華学園の強さには下級生の存在も見逃せない。
「あの子はシューターですので、『いいシュートを打てるんだから何にも考えずに打ちなさい』と日頃から伝えています。今日も大事なところで決めてくれました」(山本綱義アシスタントコーチ)
シュート力を武器とする橋本は、岐阜女子戦の第2クォーターに連続で3ポイントシュートを沈めた。この2本をアシストしたのは、同じく2年生の林咲良。「堀内さんと交代した時は自分がしっかりチームをまとめられるように意識してます」と、今年のキャプテンを裏で支えたポイントガードだ。
「インターハイとトップリーグでマークした時も大変でした。3回目もいっぱいプレッシャーをかけられるように頑張ったんですけど、やっぱりすごかったです」
絈野のすごさを間近で感じた桃井は、脱帽した様子で試合を振り返る。指揮官も桃井を責めることはせず、「点数は取られましたけど、岐阜女子さんの得点を60点以内に抑えられたのは桃井のディフェンスが効いていたからだと思います。絈野選手のシュート力はミラクルですから、しょうがない部分もあります」と及第点を与えた。
「今の3年生はみんな面白いです。自分が落ち込んでる時にもすぐに声をかけてサポートしてくれるので、とても優しくて面白い3年生でした」
3年生との思い出を振り返った橋本に対し、「みんながもう1回ひとつになって、また優勝してほしいと思います」とエールを送ったのはジェシカ。
ジェシカと八木が抜けたインサイドに関しては、新チームの浮沈を担う大きな鍵となることは間違いない。橋本と桃井も「来年はサイズが小さくなる」と口をそろえたが、京都精華学園には今大会で全試合に出場した石渡セリーナなどの期待のルーキーもいる。177センチの石渡に対しては「これから責任感やバスケットに対する執着心がついてくれば日本の宝になってくれる予感をしています」と、山本ACも大きな期待を寄せる存在だ。
「チームの柱だった3人がいなくなってしまうので、来年は自分が柱となる存在になってチームを引っ張っていけるようしたいと思います。もしかしたらスタイルが変わるかもしれないですけど、ひたむきに努力をして、自分たちの色を出せるように頑張っていきたいです」
橋本はそう言って前を見据えた。来年は橋本、桃井、林のバックコート陣がチームの中心となる。先輩たちと味わった最高の2年間の経験を生かし、次はどんな色の光を放つのだろうか。
取材・文=小沼克年