2024.07.22

【インターハイ女子注目選手】杉山もも(大阪薫英女学院)「機動力ある攻撃を生み出すシン司令塔」

1年生ながら強豪の大阪薫英でスタートを務める杉山もも [写真]=田島早苗
フリーライター

バスケどころ、福岡市で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が8月4日に開幕。間もなくパリオリンピックが開幕されるが、北部九州インターハイに出場する未来のオリンピアン候補を紹介していく。

文・写真=田島早苗

■「薫英のバスケに憧れて」強豪校の門を叩いた

 スピードに乗ったドライブから相手選手のブロックをヒョイとかわすようなフローターシュートを放ったかと思えば、マークが寄ればノーマークの味方にすかさずパスをする。

 大阪薫英女学院高校(大阪府)の司令塔を務める杉山もも(1年生)は、153センチと高校の全国レベルでは小さい選手ではあるが、そのハンディをものともせず、コート上では大きな存在感を放つ。

 静岡県沼津市立沼津高等学校中等部でプレーした中学時代には夏の全国中学校大会や冬のJr.ウインターカップで活躍。トヨタ紡織サンシャインラビッツの都野七海や大阪人間科学大学の熊谷のどか(2年)らの大阪薫英女学院高校時代のプレーを見て、「薫英のバスケットが好きだったので、やりたいなと思った」と、大阪薫英女学院の門を叩いた。現在、大阪人間科学大学の熊谷は練習する体育館も同じため「ガードとして参考にしているし、アドバイスももらえます」(杉山)という。

 その杉山は6月22、23日と「第71回 近畿高等学校バスケットボール大会」に出場。結果は準決勝で京都精華学園高校(京都府)に敗れて3位となったが、「こういう大きな舞台でスタートとして出させてもらう機会が多かったのですが、全国レベルになってくると自分の体の弱さだったり、それまでスピードで抜けていたところが簡単に抜けられなくなったりとか、ディフェンスの強度も強いので、そういったレベルの高さを知ることができました」と、振り返る。加えて、「(準決勝の)京都精華学園戦では出だしに自分のドライブから(シュート)決めることができたので、悪いところもあったけれど、学ぶもことがたくさんありました」と、手応えも感じたようだった。

杉山は攻防において様々なことを吸収中 [写真]=田島早苗


 同校の安藤香織コーチからは「ゲームコントロールと点を取ること、ディフェンスでは前からプレッシャーをかけること」を求められており、「京都精華戦はうまくいかなかったけれど、それ以外の試合ではディフェンスから流れを作ることができたかなと思います」と、発する。

 かつてチームを全国大会準優勝へと導き、現在は日本代表候補選手にも選出された都野を彷彿とさせる気持ちの強いプレーを見せる杉山。自身初となるインターハイに向けてはハキハキとした口調で抱負を語った。

「小さいし体も弱いけれど、それに負けないでやっていかないといけないし、ガードとしてレベルの高い相手でもコントロールしてチームのために貢献できたらいいなと思います」