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バスケどころ、福岡市で開催される「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が8月4日に開幕。間もなくパリオリンピックが開幕されるが、北部九州インターハイに出場する未来のオリンピアン候補を紹介していく。
文・写真=小沼克年
関東王者として福岡に乗り込む八王子学園八王子高校は、背番号12の十返翔里(とがえり しょうり/3年)がチームを引っ張る。
6月に行われた関東大会、十返は正智深谷高校(埼玉県)との準決勝で42得点をマーク。決勝戦では前年のインターハイで頂点に立った日本航空高校(山梨県)相手に35得点を稼いでチームを優勝へ導いた。
190センチを超えるサイズとスピードを併せ持つゲームキャプテンは、30点オーバーを記録する試合も珍しくない。昨年のウインターカップでは3試合で平均32.6得点というオフェンス力を発揮した。
ドライブ、ミドルシュート、3ポイントにダンクシュート。多彩な攻撃で得点を重ねることができるが、その中でも「ファストブレイクからの1対1が一番得意」と本人は言う。
「やっぱりブレイクからのスピードに乗ったアタックというのはすごく魅力的だと思います」。伊東純希コーチも十返の最も光るプレーをそう評価しており、持ち味である積極性を失わないよう、日頃からこんなアドバイスを送っているという。
「自分で行けるところは行っていいと。周りを見ることも伝えていますけど、それ(積極性)を失ってしまうと彼の良さを殺してしまいます。あとは、リングにアタックをしてゴール下で相手にコンタクトされた時にどう対応するのか、ということも練習では伝えていますね」
2024年はU18日本代表メンバーにも選出された。世代屈指の点取り屋に対し、伊東コーチは「相手にペースを握られているときに、彼がどんなプレーを選択するのかもこれからの課題になってくると思います」と話し、「その殻を破ることができればチームとしてのレベルも上がっていけるのではないかと思っています」と期待を寄せる。
チームが苦しいときこそ仕事をするのがエースというものだ。日本一にたどり着くまでの道のりでは、劣勢に立たされる場面が必ずあるだろう。十返は言う。
「チームが辛いとき、うまく攻められないときに自分がいかに点数を取れるか。そこにフォーカスして頑張りたいです」
自分が得点を取りまくって、チームも勝つ。十返翔里は昨年よりも強いインパクトを残し、八王子学園八王子を2度目のインターハイ制覇へと導く。