2024.08.05

「もっとできるはず」…3年ぶりの頂点を目指す桜花学園の井上コーチが主力に奮起を促す

桜花学園の三國ソフィアエブスは出足のいいディフェンスでスティールを奪った [写真]=佐々木啓次
バスケットボールキング編集部

 8月4日、「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」が開幕し、福岡市総合体育館(照葉積水ハウスアリーナ)での第2試合には桜花学園高校(愛知県)と八雲学園(東京都)が対戦。1回戦から強豪校の顔合わせだけに、注目が集まった。

 この試合、序盤からリードを奪ったのは桜花学園だった。しかし、八雲学園の外角のシュートに手を焼き、なかなかリードを広げられず、第2クォーターは15−14。前半を40−33で折り返した。

 第3クォーターに入り、PGの三國ソフィアエブス(3年)が躍動。コートの端から端まで駆け抜けるスピードや相手のボールマンに厳しいプレッシャーをかけるディフェンスでチームに勢いをもたらした。加えて、深津唯生、白石弥桜(ともに3年)のインサイド陣が徹底したボックスアウトを披露。八雲学園の留学生に思いどおりのリバウンドを奪われないように体を張った。

桜花学園のセンター人は体を張ったディフェンスを見せた [写真]=佐々木啓次


 すると、桜花学園は9−0のランを見せ、一気にリードを広げることに成功。最後まで粘る八雲学園73−59に勝利。2回戦にコマを進めた。

 スタッツを振り返ると、深津がゲームハイの21得点をあげ、リバウンドは実に24本を奪い、ダブルダブルの活躍。阿部心愛(3年)が16得点8リバウンド、三國が14得点
8リバンド、金沢杏(2年生)が14得点をマークした。

 試合中、時には厳しい声を発した井上眞一コーチだが、試合が終わると、「まずまずの出来かな。相手(八雲学園)の留学生は大きかったけど、踏ん張ってくれた」と及第点を与えたようだ。

 この試合のキープレーヤーとなった三國は東海大会までは控えの選手だった。先発に抜擢したのは「得点力がある」(井上コート)からで、三國はその起用に十分こたえたと言えるだろう。

 互いに順当に勝ち上がれば、3回戦で3連覇を目指す京都精華学園高校(京都府)と相まみえることになる。

 それに向けて、「なにせ3ポイントが入らない。今日も1本を入れただけ。1,2番のガード陣の外角シュートが入ってこないと厳しい」と現在の課題に言及。さらに「得点源の阿部(心愛/3年)とキャプテンの深津はもっとできるはず」とそれぞれが高いポテンシャルを秘めているだけに奮起を促した。

 3年ぶりの頂点に向けて、桜花学園高校はさらにギアを上げていく。5日は2回戦、福岡市総合体育館第2試合で土浦日本大学高校(茨城県)と対戦する。

文=入江美紀雄