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岐阜女子を得点で引っ張った三宅香菜…今後に向けて「大事な場面でシュートを決め切れるように」

2年生ながら得点力の高さが目立った岐阜女子の三宅香菜 [写真]=佐々木啓次
フリーライター

 8月4日から9日の期間で行われた「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。女子決勝では2017年以来の優勝を目指した岐阜女子高校(岐阜県)が京都精華学園高校(京都府)と対戦したが、結果は55―56とわずか1点及ばず。岐阜女子は準優勝となった。

「昨年のウインターカップで(京都精華学園に)負けていたので、絶対に勝とうと思って試合に臨んだのですが、悔しい気持ちでいっぱいです」

 試合後、敗れた岐阜女子の三宅香菜(2年)は、こう感想を語った。

 三宅は、「私は大きい選手に付かれることが多いので、スピードのミスマッチを生かしたり、3ポイントシュートを決め切たりすればチームに流れが来ると思って、自分のシュートは確実に決め切ろうという気持ちでいました」と、今大会では果敢にリングに向かう姿勢など、得点への意欲を強く感じさせた選手。決勝でも両チーム合わせて最多となる20得点を奪取し、3ポイントシュートやドライブなど、特に前半は積極的な攻めでチームにリズムをもたらした。また、前日の東海大学付属福岡高校(福岡県)との準決勝でも10得点6リバウンドをマーク。相手の変則ディフェンスに手を焼きながらも48−47と僅差での勝利に大きく貢献している。

ミスマッチにもひるまずに攻め切るのが三宅の特徴 [写真]=佐々木啓次


 決勝を終え、三宅は「ディフェンス面では相手の留学生センターのところにダブルチームにいくなど、そういったディフェンスは通用したのかなと思います。オフェンス面では最初の方はシュートも入り、積極的に狙うことができたのですが、途中から消極的になってしまって…。自分で行けるところもパスをしたり、相手にシュートブロックされたりしたので、もっと点を取る力をつけていきたいと思います」と、自身の手応えと課題を語った。

 さらに、「今年のチームは誰か一人がずば抜けているというのではなく、全員がまんべんなく点を取れるチーム。そのため誰かが調子悪くても誰かが調子いいといったようにチームとして崩れることがないです」と、今のチームについて語ると、「決勝戦ではたまたま私が良かっただけで、最後にボールを託されたときや大事な場面でのシュートを確実に決め切れるように練習しないといけないと思いました」と、やはりここでも課題を口にした。

 岡山県の竜操中学校時代には全国中学校大会で3位になるなど、中学時代からキャリアを積んできた三宅。岐阜女子への進学は2学年上に中学の先輩がいたことに加えて、練習に参加したときに、「先生が指示したことに対して全員が体を使ってまで共通理解できていて、誰とペアを組んでも全員が同じことを理解して練習に取り組んでいるのを見て、ここでバスケがしたいと決めました」という。それこそ、強度の高い練習に不安はなくはなかったが、「(中学の)先輩からいろいろなことを聞いて『楽しいよ』と教えていただいたので、強いチームで日本一になりたいと思いました」と、当時のことを振り返った。

「岐阜女子はバスケットもそうですが、バスケットより生活面を一番大事にしていて、日常生活から人として学べることがたくさんあります」という三宅。そんなポイントゲッターについて指揮を執る安江満夫コーチは、「勘がいいです。特にパス。パスの判断というのが非常にいいですね」と、評する。一方で「サイズ的にそんなに大きいわけではないので、1対1の力やシュート力をもっと上げてほしいと思っています」とも期待を込めた。

 準優勝となった今大会、安江コーチは大会を通しての収穫を問われると「一番は悔しさでしょうね」と、言う。そして「悔しさを選手たちが次の努力する糧にしてくれたらいいなと思います。1点勝って喜ぶことも大事だけど、1点負けてまた次に頑張れれば」と続けた。

 試合後、質問に答える三宅の表情は悔しさが滲み出ていた。この悔しさを晴らすためにも、『シュートを決める』力を付け、冬に待ち受ける全国大会での頂点を目指す。

文=田島早苗

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