2025.02.06

八雲学園が関東新人大会で優勝を飾る…決勝で100点ゲーム、高いオフェンス力を見せつけ他を圧倒

八雲学園は2018年依頼の関東新人優勝 [写真]=小沼克年
フリーライター

持ち前のオフェンス力を遺憾なく発揮

 2月1日と2日、日環アリーナ栃木で「令和6年度 第35回関東高等学校バスケットボール新人大会」が開催。計32チームが凌ぎを削ったトーナメントは男子が八王子学園八王子高校、女子は八雲学園高校の東京勢が男女で優勝を飾った。

 八雲学園は2018年に行われた平成29年度大会以来となる優勝(令和2年、3年度は新型コロナウイルス感染症拡大のため中止)。当時は奥山理々嘉(日立ハイテククーガーズ)らを擁して関東新人の頂点に立った。

 高いオフェンス力を強みとする八雲学園は、今大会でも他を圧倒する攻撃力を発揮。初戦で98得点を奪って40点差の快勝を収めると、続く2回戦では全国常連校の昭和学院高校(千葉県)を第3クォーターで突き放して最終スコア93−71。準決勝の矢板中央高校(栃木県)では背番号5の川名漣(2年)が29得点の活躍を見せ、日本航空高校(山梨県)との決勝ではフル出場の5人全員が2ケタ得点をマークして100点ゲームを演じた。

 新チームでキャプテンを務めるのは、昨年も主力としてプレーした松崎菜緒(2年)。落ち着いたゲームメークや苦しい時間帯での得点でもチームをけん引した彼女は、「去年の関東新人は3位で終わってしまったけど、今年は最後まで勝ちきることができて嬉しいです。決勝で100点ゲームができたこともそうですし、チーム全員でしっかりと声を掛け合って楽しくプレーできたので良かったです」と笑顔で大会を振り返った。

昨年も主力としてプレーした松崎菜緒がキャプテン [写真]=小沼克年


 4試合すべてで大差での勝利を収めた中、際立った活躍を見せたのはテウ アダマ(1年)だ。期待の1年生センターは昭和学院戦で47得点29リバウンドを挙げると、決勝戦では53得点26リバウンドをマーク。同じ留学生とマッチアップした日本航空戦では第1クォーターで2つのファウルを犯しながらも、その後はしっかりと我慢してコートに立ち続ける「賢さ」も垣間見えた。

 アダマは185センチの高さを生かしたゴール下のプレーだけでなく、柔らかいタッチからのミドルシュート、速攻に参加する走力も兼ね備える。「運動能力が高いので、体育の授業ではバドミントンやサッカー、何をやっても上手」と語る髙木優子コーチは、OGの奥山が保持する女子のウインターカップ1試合最高得点記録(62点)を塗り替える存在としても期待を寄せている。

昨年の手応えを糧に、全国上位を目指す

 昨年を振り返ると、八雲学園はインターハイ1回戦で桜花学園高校(愛知県)、ウインターカップでは2回戦で大阪薫英女学院高校(大阪府)に77−84で競り負けて、全国では早期敗退となった。それでも髙木コーチは、「負けはしましたけど戦えた部分もありました。桜花さんも薫英さんも強かったですが、届かないほど力の差を感じたわけではなかったです」と振り返る。松崎も「悔しい気持ちが大きかったですけど、すごくいい経験になりました」とポジティブに捉え、「今年こそはそういった強豪チームにも絶対に勝ちたいと思っています」と意気込む。

運動能力も優れているという1年生のテウ アダマ [写真]=小沼克年


 今後、全国の強豪と肩を並べるために必要なのは「ファンダメンタル」だと髙木コーチは話し、こう続けた。

「強いチームというのは誰か1人が優れているから強いのではなく、全体的に基礎的な力がしっかりしています。これからも日頃から基礎的な部分をしっかり指導して、今年はもっと上のレベルで戦いたいです。試合を重ねるごとによくなっているとは思いますけど、まだまだコンビネーションが悪くつまらないミスもあります。そういったミスを減らしていく努力をしていきたいと思います」

 松崎を筆頭に、今年の主力は昨年から全国のコートでも経験を積んできた。八雲学園がこれからどんなチームへ変貌を遂げ、関東、そして全国でどのような爪痕を残すのか非常に楽しみだ。

文・写真=小沼克年