2021.01.21
「2020年度 第1回 全国U15バスケットボール選手権大会(Jr.ウインターカップ2020-21)」が開幕。今大会はU15世代の育成・強化環境のさらなる充実を図るため今年度新設された。一昨年まで32年間続いた「都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」を前身としているが、出場チームは中学の部活動チーム(単独、選抜)だけでなく、クラブチーム、Bリーグのユースチーム(U15)と登録の枠を超えて、同じ土俵の上で戦われるのが特徴だ。
出場チームの関係者、特に部活チームのコーチに話を聞くと、昨夏の全国中学バスケットボール大会(全中)が新型コロナウイルス感染拡大のため中止になった際、選手たちは大きくショックを受けたという。それでも今大会が開催されることを信じて、ここまで練習を続けてきたチームも多い。
岩井HCは「選手たちには次のステージがあります。彼らが高校に進学しても試合に出られるようにするにはどうすればいいのか、将来を見据えて指導にあたっています。練習を通じて各選手どう成長していくかをメインに考えながら、今大会に臨んでいる状況です」と語ってくれた。
成長を促進させることと結果を求めることは“盾”と“矛”の関係に近いかもしれない。「もちろん彼らも負けるつもりで大会に臨んでいるわけではないのですが、結果だけにフォーカスしてしまうとどうしても自分たちの成長のためのチャレンジができなくなってしまうので、結果よりも自分たちがどのようにプレーできたかを大事に考えています」と岩井HC。
「選手たちがこのような大会に慣れていないこともあり、いつもどおりに自分をなかなか表現できないことが多かったようです。思うように動けない中、自分たちで乗り越えられるかがすごく大事になってくるので、今日は見守るだけの場面も作りました」と、この部分は公式戦ならではの、ましてやウインターカップなどが行われる武蔵野の森スポーツプラザが会場という雰囲気もあり、それにのまれながらもプレーすることが選手たちにとって成長を促す経験になるとも言える。
「競技ですから、負けるために準備するのではなく、『常に勝つ工夫をし続けなさい』と言っています。その中で、“勝敗”を成長のための手段として、未来に向けてのひとつの機会だと捉えています。運営の方がこの状況下の中で大会を開いてくださるというのは本当に特別なことだと思っているので、この素晴らしい機会を使って選手たちをどう成長させるかという方が大事なんじゃないかと思っています」
文=入江美紀雄
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