2023.05.02

W杯同組についてトム・ホーバスHCは「相手は関係ない。自分たちのバスケをやります」

ワールドカップの組み合わせを受けコメントするトム・ホーバスHC[写真]=Getty Images
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 4月30日、千葉ジェッツアルバルク東京の試合が行われた船橋アリーナに視察に訪れた男子日本代表トム・ホーバスヘッドコーチは、試合前にメディアの前に姿を現し取材を受けた。

 前日にワールドカップの組み合わせ抽選会が開催され、FIBAランキング36位の日本のいるグループEはオーストラリア(同3位)、ドイツ(同11位)、フィンランド(同24位)と強豪揃いの厳しい組み合わせとなった。

 トム・ホーバスHCははじめに組み合わせに対して意見を聞かれると「いいチームばかりが集まっている。しょうがない、やるしかないです」と述べ、笑顔を見せた。

 同グループとなった各国についてまず話題に挙がったのは、初戦の相手となるドイツだ。「スタッフと色々話して、今はドイツのスカウティングから始めている。まだ相手のロスターはわかりませんが、スター選手が色々いる」と話す中で、3選手の名前が挙がった。

 まず名前が挙がったのは1〜2年前に当時トロント・ラプターズに在籍していた渡邊雄太を見にオーランドへ行った際にプレーを見た、フランツ・ワグナー(オーランド・マジック)とモリッツ・ワグナー(オーランド・マジック)だ。モリッツ・ワグナーのことはよく知っていたが、フランツ・ワグナーはこの時に知り「いい選手だ」と感じたと話す。

 ホーバスHCは両選手について、「フランツ・ワグナーは今シーズン1試合平均18.6得点を挙げていてアシストも上手、208センチながらスモールフォワードの選手でドライブも上手です。モリッツ・ワグナーはパワーフォワードの選手。2人ともミシガン大学の出身で、私の出身のペンシルベニア州立大学と同じビッグ・テン・カンファレンスなので、よく見ていたからあの2人のこともよくわかる」と話した。

 続いて「最近よくプレーを見ている」と名前が挙がったのは、八村塁とチームメイトのデニス・シュルーダー(ロサンゼルス・レイカーズ)だ。「彼はアスレティックでいいディフェンスをしていてエネルギーも高い選手」と評価した。

 次に東京2020オリンピック競技大会で銅メダルを獲得したオーストラリアについて聞かれると、「みんなわかっていると思いますが、ロスターが深いので誰が入ってくるのかわかりません。昨年のアジアカップではソン・メイカーが出場し、豪快なブロックショットやペイントプロテクションを見せていました。ただ彼がワールドカップのロスターに入るのかわかりません」と選手層の厚さについて触れ、「とりあえずロスターが決まるのを待って準備していきます。この1年半で何度も対戦してきたので、オーストラリアのバスケットボールはよくわかっています」と力強く答えた。

 フィンランドについては、「これから。ビデオは集まっている」と話し、「例えばラウリ・マルッカネン(ユタ・ジャズ)はNBAの試合をスカウティングすれば彼の得意なプレーがわかってきます。フィンランド代表に入ると役割が変わるかもしれませんが、(選手の特徴など)そういう勉強をこれからやります」と簡潔に述べた。

ワールドカップに向けてこれから準備をしていくと話すトム・ホーバスHC[写真]=Getty Images

 海外組とのコミュニケーションについて聞かれると、八村塁とは「最近全然話していない」と話し、「ドイツ代表のデニス・シュルーダー八村塁のチームメイトなので、色々話したい、彼の得意なプレーなどを聞きたいです」と笑みを浮かべた。

 この日同会場に来場していた渡邊雄太については、「シーズンが終わったばかりで疲れているかもしれないけど、会う機会があれば少し話したいと思っている。渡邊はフランツ・ワグナーとマッチアップしたことがありよくわかると思うのでそういう話もしたい」と述べた。

 NBA組である2人の招集について聞かれると「ぜひ2人を呼びたいです。間違いないです」と即答した後、「間違いないです」と続け言葉に力を込めたが、「50パーセントコミットするとなると、チームのことを考えてあまりよくないと思います」と話した。

 テキサス・レジェンズでプレーする馬場雄大については、「最近コーチング練習をしています」と明かした。

 ワールドカップでの目標については、「アジア1位になりたいです。それだけです。」と簡潔に述べ、「このワールドカップはチャレンジがすごくある。とにかく自分たちがいい準備をして、いいバスケットボールを見せたいです。相手は関係ない。自分たちのバスケットボールをやります」と話し、「アジア1位になれないならもう残念。アジア1位になってパリオリンピックの切符が欲しいです」と意気込みを語った。

 最後にファンの方へ向けて「日本の熱い応援が必要、みんなのエネルギーが必要です。大きなホームコートアドバンテージを作りましょう。皆さん本当によろしくお願いします。頑張りましょう」と熱くメッセージを送った。

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