2024.08.21
デトロイト・ピストンズで2017年から23年までヘッドコーチを務めてきたドウェイン・ケイシー氏によるクリニックが、7月27と28日に栃木県の白鷗大学にて行われた。
27日は同大の女子バスケットボール部、28日は男子バスケットボール部を対象に開催されたクリニックは、『Flow Offense』『Play Pace』をテーマに細かくファンダメンタルの指導が行われていった。
女子部のクリニックではピボット練習からファストブレイクやエンドスローからの動きなどが行われ、その中でパスの種類にも「ここでバウンズパスは取られるからやってはいけない」、「片手で出すとパスが弱くなる」などシーンに応じて細かく指導。「身長の違いはあっても、ファンダメンタルに関して違いはなく、みんな同じです」と、熱く選手たちに語りかける場面もあった。
1989年から1994年の間で日本でのコーチを務めた後、1994年から約30年間にわたりNBAにてコーチのキャリアを重ねたケイシー氏。2017―2018シーズンにはラプターズの指揮官として最優秀ヘッドコーチ賞にも輝いている。
そのドウェイン氏はこれまでも日本でクリニックを行ってきたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、国内では実に5年ぶりの実施。今回のクリニックを通して「ディテール、細かいところへのアプローチというのを伝えたかったです。バウンドパスをしてしまうとか、ついやってしまうことをできるだけしないように。(白鷗大学の)みんなが日本一を目指すという情熱、それが選手たちにもしっかりと反映されているので、そのお手伝いが少しでもきればと思いました」と、思いを語った。
27日のクリニック後は、「今回のグループは本当に頭が良くて、一度言うだけで、習得するスピードが非常に早かったので良かったと思います」と、感想を語ったケイシー氏。加えて、「私はかつて何十年前に日本でコーチをしていたときがあります。その頃の女性のパフォーマンスと比べると、今はものすごく上がっていて、それは本当に印象的でした」と、クリニックの印象も教えてくれた。
実際にクリニックを受けたバスケットボール部の舘山萌菜キャプテン(4年)は、「私たちが普段気にしないようなところも大事にして練習しているからこそNBAで通用する技術なのだと感じました。知っていることもいっぱいあったのですが、それをどれだけクオリティ高くできるかが大事だと学んだので、そこはこれからの練習で自分たちもできること。全員で徹底してやっていきたいと思います」と、クリニックを受けての感想を語った。
チームの当面の目標は8月末から始まる関東大学女子リーグ戦での優勝。「白鷗大学の強みは強度の高いディフェンスからの速い展開。クリニックにディフェンスはなかったのですが、今まで監督に教えてもらっているディフェンスでしっかりと相手を嫌がらせて、オフェンスではクリニックで学んだ速い展開の流れを止めずに全員が動いて得点につなげられるようなバスケットをしたいと思います」(舘山)と、クリニックでの経験を生かしながら持ち味を発揮した戦いをしたいと誓っていた。
取材・文=田島早苗
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