Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
「今シーズン初めての試合で、昨シーズンはアーリーエントリー(の選手)として先輩たちがゲームを作ってくれた上で最後に出させてもらったのですが、今日はスタートで出させてもらい、初めてのことばかりでした」
7月13日〜15日、武蔵野の森総合スポーツプラザにて行われた「京王電鉄 presents Wリーグ サマーキャンプ2024 in 武蔵野の森」(以下サマーキャンプ)。初日(13日)に滋賀銀行との対戦を終えたシャンソン化粧品シャンソンVマジックの堀内桜花は、笑顔で試合を振り返った。
堀内は今シーズンが1年目となるルーキー。京都精華学園高校時代は1年次から主力としてチームの勝利に貢献し、2年生では1学年上で現在はシャンソン化粧品でチームメートでもあるイゾジェ ウチェや同級生の八木悠香(ENEOSサンフラワーズ)らとともにインターハイ、ウインターカップで優勝。3年生となった年も夏と冬を制して2年連続で2冠獲得を達成した。
そのチームを司令塔として引っ張った堀内は、ドリブルやパスのスキルに長け、チャンスがあれば果敢にシュートを放つなど攻撃力の高いガード。また、リバウンドにも積極的に絡み、1試合で2ケタのリバウンドをマークすることも多かった。
そしてウインターカップを優勝で終えた翌日、アーリーエントリーしていたシャンソン化粧品にてWリーグデビューを果たす。このときは1分20秒と短い時間ではあったものの、翌日の30日には同じく新潟アルビレックスBBラビッツ戦に出場すると、初得点を記録。最終的には4分10秒の出場で4得点1アシスト1スティールという数字を残した。
高校界でトップを走ってきた堀内は、Wリーグでも期待のルーキーの一人だ。だが、5月末には中国で開催された「NIKE ALL ASIA CAMP」に参加。そして6月には「FIBA U18女子アジアカップ2024」にU18女子日本代表の一員として出場と、ここまではチームでの不在期間も多かった。そのため、堀内も「日本代表やキャンプなどで結構チームから抜けていたので、その間の大事な時間が削られてしまってはいます。でも、代表活動などで得られたことをしっかり持ち帰ってできているとは思います」と、言う。
シャンソン化粧品は今シーズンより中川文一氏が指揮官に就任。中川ヘッドコーチは、かつてシャンソン化粧品を皇后杯優勝はもとより、リーグ10連覇へと導き、その後指揮を執った富士通レッドウェーブでも皇后杯とWリーグ優勝を達成した名将でもある。
「今はセットプレーよりも、行けるならどんどんスピードで持って行くようにと言われていて、個人的にはそのフリーランスのような動きはやりやすいです」と、堀内は笑顔を見せる。また、京都精華学園中学から高校まで一緒にプレーしたウチェとの動きについても、「自分の持ち味を発揮できるし、ゲーム運びがしやすいです」とも語った。
先にも挙げたU18女子アジアカップでは6試合に出場。1試合平均20.3分の出場で10.7得点3.8リバウンド2.8アシストを記録した。高校時代はケガの影響でアンダーカテゴリーの日本代表には縁が薄く、FIBAの公式戦となるとこの大会が初めて。「日本代表では2番ポジションでやることが多かったので、1番ポジションとはまた違って自分で攻めたり、点を取りに行ったりということをやっていました。いつもの1番ポジションとは違った経験ができてよかったです」と、振り返った。
さらには、「今回のアジアカップでは自分で攻めていけるところや、ジャンプシュートもストップから打つことができたと思います。でも、レイアップでシュートに行ったときのフィニッシュのところはもっと磨きたいなと思います」と、自身の課題も挙げた。
同大会では予選ラウンドで中国と対戦。大会前から話題を集めていた220センチのセンター、チャン・ツーユーとも対峙したが、「リング見えなかったですね。ドリブル(で攻めていこうと)しても腰から下しか見えなくて。リングも小さく見えました」と、これまで経験したことのない高さには苦笑い。それでも、それも含めて「いい経験だった」と、力を込めた。
春から夏にかけて、充実した日々を過ごした堀内。7月19日〜21日の期間にはアメリカのフェニックスで行われ、24カ国の約40名の有望選手が集った「第2回 Basketball Without Borders Global girls camp(BWB)」にも参加した。そしてこれからはシーズンの開幕に向けてシャンソン化粧品でしっかりとレベルアップを図っていくこととなる。
「1番をやることが多いのですが、まだチームのルールなどを自分の中でちゃんと理解できないので、サマーキャンプの試合もそうですが、これからもしっかり積み上げていきたいなと思います」と、堀内。これまで同様にWリーグでも注目を浴びることとなるが、「そう見てもらえることはすごくうれしいし、ありがたいです。しっかりプレーで返せるように頑張りたいと思います」と、1年目のシーズンに向けて意気込んでいた。
文・写真=田島早苗