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Wリーグ・サマーキャンプに参加したスラバヤフィーバー(インドネシア)ってどんなチーム?

Wリーグのサマーキャンプに参加したスラバヤフィーバー[写真]=田島早苗
フリーライター

 7月13日〜15日の期間で「京王電鉄 presents Wリーグ サマーキャンプ2024 in 武蔵野の森」が武蔵野の森総合スポーツプラザにて開催された。

 Wリーグのサマーキャンプにはこれまでも他国のクラブチームが参戦した経緯があり、昨年は韓国のWKBLから2チームと女子チャイニーズ・タイペイ代表の計3チームが日本のチームと試合を行った。

 そして今年、これまでは参加のなかったインドネシアからスラバヤフィーバーが出場。今回、3試合を戦い抜いた。

 スラバヤフィーバーとはいったいどのようなチームなのか? 試合を見て疑問に思った人も多いだろう。同チームはインドネシアのクラブチームで、選手はバスケットボールを生業としており、普段は寮のような施設で生活をしている。

 だが現在、インドネシアで女子バスケの国内リーグは行われていない。というのも、コロナ禍前は4〜6チームでリーグ戦が行われていたのだが、新型コロナウイルス感染症の拡大により休止となり、現在はまだ再開されていない。

 とはいえ、チームにはインドネシア代表の選手たちが多いこともあり、対外試合の経験、プレーする環境維持が必要で、その目的も兼ねて今回のWリーグのサマーキャンプに参加した。ほかにも、マレーシアなど近隣の国に赴いて強化試合に参加しているそうだ。

「チームの強化がナショナルチームの強化にもつながります」と、ウェリヤント プリバディヘッドコーチが言うように、今回の来日にはインドネシアバスケットボール協会のコー プー タイ会長も同行。選手たちの戦いを見守った。

スラバヤフィーバーを指揮するウェリヤント プリバディHC[写真]=田島早苗

 試合は、初戦のアイシンウィングスには55-101で敗れたものの、カナダからの帰化選手であるキンバリー ピエル ルイスは20得点7リバウンドと奮起。すると、続く姫路イーグレッツとの試合では、キンバリー ピエル ルイスがインサイドでの強みを生かして43得点14リバウンドを奪い、さらには、アウトサイドシュートが持ち味のジェシリン アンジェリク アリトナンも3ポイントシュート4本を含む14得点。試合にも81-74で競り勝った。3戦目のトヨタ紡織サンシャインラビッツとの一戦には56-103で敗れたものの、しっかりとインパクトは残したといえる。

「日本のバスケットについていろいろと勉強したいという理由で来ましたが、いい経験と勉強になりました。(日本の選手は)あきらめない。みんな頑張る気持ちが強いことを試合を通して分かりました。これから私たちももっと頑張って、レベルアップしていきたいです」と、ウェリヤント プリバディHCはWリーグチームとの試合の感想を語った。

カナダからの帰化選手、キンバリー ピエル ルイスがチームをけん引[写真]=田島早苗

 また、インドネシア代表として2023年の女子アジアカップ(ディビジョンB)に出場した一人、ジェシリン アンジェリク アリトナンは、女子日本代表で知っている選手にオコエ桃仁花(ENEOSサンフラワーズ)、赤穂ひまわり(デンソーアイリス)の名前を挙げ、3x3女子日本代表については試合をYouTubeで見たとのことで、三田七南(ENEOS)の名前を口にした。

 そして「すごくいい経験で、新しい経験でした。日本のリーグへの参加は初めてで、とても感動しました。まさか日本で試合ができるなんて思わなかったので、夢が叶ったみたいです」と、目を輝かせた。

「スラバヤフィーバーもインドネシアのナショナルチームもどちらもレベルを上げたいと思っています。今回は私たちインドネシアのチームしか(サマーキャンプに)参戦していません。これは私たちにとってはチャンスでもあるし、レベルアップにつながると思います」と、今後に向けての意欲を見せたジェシリン アンジェリク アリトナン。3試合を終えて笑顔で会場を後にしたスラバヤフィーバーの選手たち。彼女たちにとっても、チームにとっても実りのある日本遠征となったに違いない。

力強いコメントを残したジェシリン アンジェリク アリトナン[写真]=田島早苗

文・写真=田島早苗

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