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京都精華学園と激戦も1点に泣いた桜花学園…キャプテンの深津唯生「本当に日本一を取りたかった」

14得点14リバウンドの活躍でチームをけん引した深津唯生 [写真]=佐々木啓次
フリーライター

 8月6日、「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」は照葉積水ハウスアリーナで女子3回戦が行われ、前回大会の決勝で対戦した京都精華学園高校(京都府)と桜花学園高校(愛知県)が顔を合わせた。

 好カードとして多くの観客が見守ったこの試合、序盤は京都精華学園がユサフボランレ アイシャット(3年)のインサイドプレーや桃井優(3年)のドライブ、桜花学園は阿部心愛(3年)の力強いシュートなどで互いに得点を重ねた。しかし、第1クォーター終盤に阿部、白石弥栄(3年)などの連続得点で抜け出した桜花学園が、第1クォーターを終えて22-15と7点のリードを奪った。

 さらにリードを広げたい桜花学園だったが、第2クォーターでは京都精華学園の橋本芽依(3年)に3ポイントシュートを許すなどジリジリと点差を詰められた。結局、リードはわずか2点となって前半を終了した。

 一進一退の展開となった第3クォーターでも桜花学園はオフェンスで波に乗れず。それがディフェンスにも影響してしまい、京都精華学園に8点のリードを許して第3クォーターを終えることとなった。

 それでも、第4クォーターでは金澤杏(2年)が1対1からのシュートなどで反撃。阿部も追随し、残り3分30秒を切った時間帯に1点差に詰め寄った。さらには、残り2分30秒を切って三國ソフィアエブス(3年)のリバウンドからのシュートで逆転に成功した。その後、阿部との合わせのプレーから白石が得点を記録。リードを3点に広げたが、それ以降の攻撃で得点を奪えず。逆に残り約1分で失点すると、残り約7秒、京都精華学園のボランレに高さを活かしたシュートを決められてしまい1点ビハインド。残り5秒でのオフェンスも得点にはつなげられず、最後は64-65で力尽きた。

 試合後、14得点14リバウンドと体を張ったプレーでけん引したキャプテンの深津唯生(3年)は「すごく悔しいというか、勝ちきれるゲームだったと思うでの、そこはすごく自分の責任を感じています」と、言葉を絞り出した。さらに、「自分たちの学年は一度も日本一になったことがなくて。無冠のままで、ここにチャレンジャーとしてきたのですが、自分たちの代でも勝ちきれなくて……。本当に日本一を取りたかったなという思いです」とも語った。

試合後には悔し涙を見せた [写真]=佐々木啓次

 失点の65点は、188センチと191センチのセンター2人を擁する相手と考えれば、ある程度想定内の点ともいえる。一方でオフェンスは、個々の能力に優れる桜花学園にとって64得点は少し物足りなくも感じるところだ。

「第2クォーターで流れがきた時、自分たちがイージーシュートを落として、逆にブレイクされてというのがあったので、そこは自分たちの甘さが出てしまったのかなと思います」と、深津はオフェンスでの反省点を口にした。

 クロスゲームともなると、インサイドに大型選手を擁する京都精華学園とは、終盤のここ一本の決定力で分が悪くなる。だからこそ、理想をいえば試合の終盤を迎える前にもう少し点差をつけておきたかった。

 これでインターハイは3年連続で京都精華学園の前に涙をのむこととなったが、反省ばかりでもない。「自分たちの流れは持ってくることができたと思うので、そこをどれだけ継続してできるかが勝負どころで大事になってくると思います。井上(眞一)先生のバスケットはディフェンスからブレイクなので、そこをしっかり出せたら勝ちきれると思います」と、深津は敗戦のなかから得た収穫を語った。

 夏の日本一への挑戦は、望んでいた形で終えることはできなかった、だが、まだチャンスは残っている。3年生たちにとって冬のウインターカップがラストチャンス。負けた悔しさを糧に桜花学園は再び前へと歩き出す。

文=田島早苗

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