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『B MY HERO!』
8月12日〜14日の期間、愛知県豊田市のスカイホール豊田にて「W LEAGUE U15 BASKETBALL GIRL’S CAMP」が開催された。
現在、コロナ禍により合宿や遠征の経験がない選手も多いが、そういった中学生たちに友だちと参加できる場を提供するこのキャンプは、今回が初開催。コーチである元Wリーガーたちがこれまで経験してきた数々の合宿や遠征の雰囲気を再現することにより、中学生たちに一生の思い出となるような体験をしてもらいたいという主旨もある。
対象は中学1年生〜3年生の女子プレーヤー。2泊3日の合宿形式で、朝から夕方まで体育館にて実技や座学と様々なことを学び、夜には宿舎で仲間たちとの親交を深めていった。
ファシリテーターでありメインコーチを務めた伊集南さん(元デンソーアイリス)が中心となり、コーチ陣はキャンプ前からミーティングを重ねた。今回のテーマを『チャンスを見つける力を磨く』とし、プレーでは『5対5の中でスペーシングを理解して最高のPlay(=判断)が出来るようになる』をゴールに、様々な練習メニューを組んでクリニックを進めた。
初日は、池田智美さん(元トヨタ紡織サンシャインラビッツ)によるウォーミングアップからはじまり、佐々木真弓さん(元トヨタ紡織アシスタントコーチ)がパッシング系、栗原三佳さん(元トヨタ自動車アンテロープス)はシュートフィニッシュを担当。ルンゲ春香(旧姓山下)さん(元東京羽田ヴィッキーズ)は、スペーシングの原理原則を実技を用いながら説明し、座学では弁護士たちが『スポーツと弁護士』というテーマのもと、スポーツや学校に携わる弁護士の仕事などを中学生に伝えていった。
2日目には、王新朝喜さん(元三菱電機コアラーズ)によるポストプレーの練習や、ARROWZ(アローズ)によるスポーツ科学測定(10メートル走、方向転換走、連続ジャンプなど)。午後は4ブロックに分かれ、各ブロックが2〜3人のWリーグOGのもと練習を行っていった。また、この日は坂上祐加さん(元トヨタ自動車マネージャー)と浦田彩絵音さん(現・トヨタ自動車マネージャー)による『支える力・誰かのために動くパワー』をテーマとした座学も行われ、選手たちが熱心にメモを取る姿も見られた。
3日目の最終日は総決算として4ブロックが総当たりでゲームを敢行。選手たちはそれまでの2日間で学んだことをコート上で存分に発揮していた。
このキャンプは、個人でもチーム単位でも応募が可能だ。今回は愛知県を中心に、東は栃木県、西は兵庫県から計52名の中学生が参加した。
「(Wリーグの)OGの方たちに教えてもらえることは貴重だし、いい経験だと思って参加しました。(一人での参加で)最初は緊張したけれど、友だちも増えたし、楽しく過ごせました。(所属するチームでは)フォワードからガードになったのですが、パスカットされてしまうことが多かったので、今回パスのセレクトを教えてもらったことが良かったです。これまで学んできたことでも、より細かく教えてもらうことができました」(栃木県・中学3年)
「トップを経験してきた方たちにいろいろな技術を教えてもらいました。(キャンプを経て)個人的にはコートを広く見て攻めることを意識しようと思いました。また、プレーだけでなく、コートの中での声がけも重要だと感じました。とても楽しい3日間でした」(愛知県・中学2年)
選手たちはそれぞれが多くのことを吸収し、充実した日々を過ごしたようで、そのキラキラとした表情と真剣に取り組む姿には、「選手たちの活力に励まされたということを、OGみんなが言っています。本当にいい機会を与えていただきました」と伊集コーチ。コーチ陣たちも中学生の熱意に負けることなく熱心にアドバイスを送っていた。
今回のキャンプは初回ということもあり、さまざまなことを試しながらの実施となったが、参加した中学生やコーチ陣たちがより良いものにしようと活発に意見を発するなど実りのある時間を過ごし、次へとつながる3日間となった。
[参加コーチ]
※チームは最終所属、苗字は旧姓で表記
デンソーアイリスOG
伊集南(メインコーチ兼ヘッドコーチ/ファシリテーター)
園田奈緒
田村未来
畠中春香
トヨタ自動車アンテロープスOG
鬼頭真由美
栗原三佳
西澤瑠乃
水島沙紀
浦田彩絵音[現マネージャー]
坂上祐加[元マネージャー]
三菱電機コアラーズOG
池谷悠希
王新朝喜
トヨタ紡織サンシャインラビッツOG
池田智美
長部沙梨
塚本寿美
中川恵理
中川千夏
中西恵美
畠中絵里
佐々木真弓[元アシスタントコーチ]
ENEOSサンフラワーズOG
石原愛子
東京羽田ヴィッキーズOG
ルンゲ春香(旧姓山下)