2021.08.11

JBAの三屋裕子会長と東野智弥氏が東京五輪を総括…「すべての選手に感謝したい」

三屋会長は「選手たちは持てる力をすべて発揮してくれたと、4カテゴリーすべての選手に感謝したいです」と手放しで選手を称えた
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 8月11日、日本バスケットボール協会(JBA)の三屋裕子会長と東野智弥技術委員長が会見を行い、東京オリンピックでのバスケットボール競技について振り返った。

 まず初めに三屋氏は「無観客ということで、どのような形で開催されるか分からない状態でオリンピックに入りました。今終わって言えることは、選手たちは持てる力をすべて発揮してくれたと、4カテゴリーすべての選手に感謝したいです」と3x3と5人制の男女すべての選手に謝意を伝えた。

 次に東京オリンピックからの新種目である3x3について三屋氏がコメント。「3x3は男女ともに決勝トーナメントに進出と、新種目ながら頑張ってくれたと思います。残念ながらその先には進むことはできませんでしたが、たくさんの方から3x3はスピーディーで面白いと高い評価をいただきました。3x3への評価と期待感が世界的に広がりつつあるというのは、大きな収穫だと思います。今後もアーバンスポーツ(BMXやスケートボードなどの都市型スポーツ)の象徴として3x3を活用、強化していけたらいいなと思います」

 さらに、3x3男子代表について東野氏は「予選で勝てるのかと言われながらも、セルビアとの試合は少し難しかったかもしれませんが、ほかのすべてのゲームで競争力を見せて、ドラマチックな展開で決勝ラウンドへ駒を進めました。準々決勝では金メダルを取ったラトビアと、もう1本シュートが入れば延長戦という試合ができ、皆さんの心をつかんだのではないかと思っています」と力強く語った。

 また、3x3女子代表について三屋氏は「女子は唯一アメリカに土をつけ、これは大快挙だと私は思っております」とコメント。さらに東野氏は「30度を超える暑さで、コート上だと40度近かったかも分かりません。それでも最後までやり切るこのチームは尊敬に値します。準々決勝では1本に泣いた、そこには何かが足りなかったのだと思います。パリへの宿題になったと思います。金メダルは夢物語ではないそんな活躍でした。(馬瓜)ステファニー選手が流した涙が次への出発点だと思います」と総括した。

課題を見つけた5人制男子代表、女子代表には最大級の賛辞の言葉がおくられた

 次に5人制の男子代表について東野氏は「結果だけ見れば3連敗です。ワールドカップから合わせて8連敗となりましたが、今回の3敗は2年前とは違うと思っております。ファイナルまで進んだフランスに強化試合で勝ったことを含めて、どの国も日本を甘く見ておらず、世界のトップが本気の戦いを挑んできました。まだまだ足りない部分がありましたが、男子のバスケットはまだまだ成長していきます」と振り返った。

 また、三屋氏は「かなり質は上がっていたと思いますが、課題も多く見つかった5人制男子だと思います。Bリーグの島田(慎二チェアマン)とも話していますが、国内組をどう強化していくのか、どうやってあのレベルに近づけていくのか、かなりチャレンジングな課題ですが、やっていかなければいけないと感じております」と今後の課題についても言及した。

 そして、5人制女子代表について三屋氏は「日本バスケ界史上初のオリンピックのメダル獲得。それも銀メダルを獲得しました。私がトム・ホーバスHCや女子チームのスタッフに関して本当にすごいなと思うのは、ないものねだりをしないことです。今ある戦力の中で最大限を発揮していくという彼らの考え方は、とてもリスペクトしています」とコメント。

 また「リオオリンピックを経験した選手たちがチームをまとめてくれたなと思います。髙田(真希)、宮澤(夕貴)、長岡(萌映子)、町田(瑠唯)、三好(南穂)の5人が東京オリンピックでしっかりチームをまとめてくれたなと思います。今大会を経験した若手がどう伸びていくか、これもWリーグと相談しながらやっていかなければいけないことだと思っています」と今後についても語った。

 さらに、東野氏も「準々決勝の林(咲希)選手の最後の3ポイントシュート、これには痺れました。延期により何人かのケガ人が出て、非常に難しい台所事情となり、私が一番心配していたチームでもありました。ですが、渡嘉敷(来夢)選手が間に合わないとなった時に、ホーバスHCが戦術的に活路を見いだし、“日本の女子バスケットここにあり”と見せてくれたと思います。アンダーカテゴリーの指導者たちによるこれまでの育成などが、一気通貫として実った成功例だと思います」と女子バスケットボール界に最大の賛辞を送った。

 そして、東野氏は「車いす男女日本代表がパラリンピックでまた旋風を巻き起こしてくれると思います。ぜひよろしくお願いします」ともう1つのバスケットボール日本代表についても触れ、最後は「私もまた、パリまで1080日の旅へ出かけたいと思います」と締めた。

 一方、三屋氏は「“バスケで日本を元気に”というスローガンを掲げてきましたが、今回少しは日本を元気にできたのではないかと感じております。今後もバスケットボールを通じて様々な方に元気をお届けするのが我々の使命だと思っております。今回のオリンピックが子どもたちが体を動かすきっかけになったのであれば、その中でバスケットを広げていくのも課題です。選手が一生懸命に頑張って残した結果、それを我々JBAがどう繋いでいくのか、私は選手からものすごく熱いバトンもらったと思っています。このバトンはしっかりと47都道府県の協会の方々と気持ちを1つにして、バスケット界の向上に努めてまいります。少しでもたくさんの方に応援してもらえるような、そんなバスケット界にしていきたいと思っているので、今後ともよろしくお願いします」と締め括った。

東野技術委員長は「男子のバスケットはまだまだ成長していきます」と振り返った

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