キャプテン髙田真希が東京五輪を総括「経験してきたことは無駄ではなかった」

　8月8日、東京オリンピックの5人制バスケットボール女子決勝戦が行われ、すでにメダル獲得が確定している日本代表がアメリカ代表と対戦した。

　ついに目標だった金メダルをかけた戦いに挑んだ日本代表。しかし、日本への対策が十分に練られていた女王・アメリカの壁は厚く、残念ながら75−90で敗退となった。キャプテンの髙田真希（デンソーアイリス）は、全6試合のうち5試合で2ケタ得点をマーク。決勝ではチームハイとなる17得点をアメリカから奪うなど、大会を通して攻守に安定した活躍を見せ、日本の大黒柱として銀メダル獲得に導いた。

　その髙田の試合後のコメントを日本バスケットボール協会（JBA）が掲載している。

　決勝戦を振り返り「どんな相手でも自分たちのやるべきことを、ブレずにやることが大切です。アメリカ戦は、最後は点差が離れましたが、その中でも気持ちを折ることなく速いペースを続け、第4クォーターもディフェンスで仕掛けて、相手のミスを誘う場面が何度もありました」とコメント。

　さらに「諦めることなく、どんな相手でも自分たちのスタイルを貫き通すことが大切です。勝負どころで勝つのは、それを徹底できているチームです。これからも日本の良さをどんどん伝えていきたいです」と力強く語り、日本代表は勝敗が決した時間帯でも、変わらず自分たちの目指したスタイルを貫いた。

「前回のリオが終わってから、いろんな大会ごとに良いときもあれば、2018年ワールドカップで悔しい経験もしてきました。自分自身の代表活動の中では、あと一歩でオリンピックの出場を逃して、テレビで見る悔しい思いをしたときもあれば、リオで出場できてすごく貴重な経験をしたけど、あと一歩届かずにベスト8に終わったりと、いろんな経験をしてきた中での東京オリンピックでした」

　何度も世界へ挑戦してきた髙田は、ついに東京オリンピックで決勝の舞台までたどり着いた。

「これまでのすべての経験がここにつながっています。いろんな経験があったからこそ、ここまで来ることができました。たくさんの方々に感謝しています。自分が経験してきたことは無駄ではなかったと思います」

　結果としては目標の金メダルにはわずかに届かなかった。それでも、自分たちの信じたスタイルで戦い抜いた姿には、誰もが心を打たれたはずだ。そして、金メダルという目標は、もはや夢ではなく、現実味を帯びたものとなった。

　髙田を含む女子日本代表のすべての選手が所属しているWリーグは、10月から新たなシーズンが開幕する。ここから3年間、パリオリンピックを目指した熱い戦いにも注目だ。

[写真]＝Getty Images