2022.01.29

自らの強みと課題をしっかりと捉える谷村里佳…「求められていることをコートで表現できれば」

「世界で通用するために何が自分に必要なのかを考えました」と語った谷村 [写真提供]=日本バスケットボール協会
フリーライター

「新しいヘッドコーチに代わり、バスケットのスタイルも変わっていますが、今回、私は初めての参加なので、今は(新しい)バスケットを理解して、徐々にそれをコートで表現できるようにしている段階です」

 1月29日、「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022 予選」(以下ワールドカップ予選)に向けて合宿をしている女子日本代表候補の谷村里佳(日立ハイテククーガーズ)が、オンライン会見に参加し、合宿の感想を語った。

 谷村は、185センチの高さや体の強さを生かし、得点やリバウンドを量産。Wリーグでは、18試合を終えて得点が1試合平均16.44点、リバウンドでは8.17本と、いずれも個人ランキングで3位に付けている(1月23日現在)。

 昨年は、東京オリンピックの日本代表候補にも選出されて活動を行なってきたが、最終選考でメンバーから外れることに。オリンピック出場は叶わなかったが、「オリンピックの試合を見て、私に足りないものはたくさんあるなとすごく感じました。足りないと感じるもの、世界で通用するために何が自分に必要なのかを考えました」と振り返る。

 考えた末に変化を加えた一つが3ポイントシュート。日本国内でプレーしている時と世界を相手にした時では、シュートを打てるタイミングが異り、前回の日本代表活動では「シュートチャンスが少なく、自分の持ち味を生かせなかった」と谷村。そのため、「それまでの“ワン・ツー”というステップからジャンプストップに変えて、相手との間合いが短くてもシュートチャンスを得られるようにした」という。

「シュートモーションを早くしようと思った時に(日立ハイテクの)内海知秀HCからも早く打つようにと勧められたので、アドバイスをいただきながら取り組んでしてきました」と、代表活動後、すぐにシュートの変更に着手した。

「(現・女子日本代表の)恩塚(亨)HCのバスケットでも、チャンスがあれば積極的に3ポイントシュートを狙うので、ジャンプストップに変えた分、打てるチャンスは増えているのかなと感じています」と手応えも感じているよう。だが、「まだ動きながらボールをもらったときに体がぶれるので、体の向きや重心を意識しながら、一番は打つ打ち込むことが大事かなと思います」と課題も口にした。

 女子日本代表において「今まで通りリバウンドやディフェンスなどが仕事」という谷村。また、「強い相手に当たっていくことも求められていると思うので、そこも強みとして出していきたいです」と語る。

「前回の(代表活動)でもそうですが、今回でも、求められていることを一生懸命頑張り、それをコートで表現できればメンバーに入れてもらえるということだと思っています。前回は(メンバーから)外れてしまったけれど、それは自分に何かが足りなかったから。合宿に臨む気持ちはいつでも同じです」

 日立ハイテクが誇るポイントゲッターは、自らの役割や状況を冷静に捉えながら、ひたむきに努力を重ねていく。

取材・文=田島早苗

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