2022.01.28

日本代表の経験を積み重ねる赤穂ひまわり…何でもできる『一番』のプレーヤーを目指す

スケールの大きなプレーが魅力の赤穂。次代のエース候補として期待は大きい [写真提供]=日本バスケットボール協会
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 2月に大阪にて開催予定の「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ 2022 予選」(以下ワールドカップ予選)に臨む女子日本代表。代表候補選手の一人である24歳の赤穂ひまわり(デンソーアイリス)にとっては、昨年出場した東京オリンピック(準優勝)と「FIBA女子アジアカップ2021」(5連覇)は、結果だけでなく、何にも代えがたい経験の場となったようだ。

 1月28日にオンライン取材に対応をした赤穂は、「お姉さん方についていっただけ」という東京オリンピックを「やりたいことをやらせてもらっていたし、何も考えずにやれていました」と振り返る。一方で、その約2カ月後に若手中心で挑んだアジアカップでは「引っ張っていかないといけない立場になっていい経験をさせてもらいました」という。

 今回の女子日本代表は、アジアカップに出場した同世代のメンバーも多く名を連ねており、そこに東京オリンピックのキャプテンであった髙田真希(デンソー)やキャリア豊富な渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)らベテランが加わった布陣。その中で赤穂は、「アジアカップの経験を生かして、(ベテランに)ついていくだけでなはなく、恩塚(亨)ヘッドコーチのバスケットはアジアカップに出場した私たちの方が経験していて分かっているので、お姉さん方に、しっかりと伝えていけたらと思います」、主軸としての強い自覚をのぞかせる。

「恩塚さんのバスケットはチャンスを見つけたら自分でいく。チャンスを逃さずにどんどん攻めます。そこは(アジアカップのときと)変わらないです」と赤穂。さらに、そのアジアカップでの経験を踏まえて、「ディフェンスリバウンドを取った後にボールプッシュができたら。もっと自分でプッシュしていこうかなと思っていて、恩塚さんにもそれはやっていいと言われているので、そこを増やしていきたいです」と新たな取り組みも語った。

 日本バスケットボール協会が提供するYouTubeの『INSIDE AKATSUKI』の中で、『なりたい自分は?』という問いに「探し中です」と答えていた赤穂。だが、オンライン取材でこれについて質問が及ぶと、「あの後、『全部できるようになりたい』と言いました。極論それだと思います。何でも高レベル。誰よりもどのプレーも一番でできるようになりたいと思っています。どのポジションもできるのが私の強みでもあると思うので、どのポジションになっても誰よりもチームに必要とされる選手でありたいと思います」と目指す選手像を語ってくれた。

「余裕が持てるようになったことで、自分のプレーが出せるようになったのかなと思います」と、日本代表としての経験を重ね、自身の成長も確かに感じている。

「(日本代表に選ばれた)最初の頃はミスをしないように頑張ろうという意識でやっていたのですが、今はどれぐらい自分のプレーが通用するのかなと楽しみながらやっています」と頼もしいコメントも。

 思わず唸ってしまうような玄人好みのプレーを見せたかと思えば、豪快なブロックや高い位置でボールを奪うリバウンドなど、驚くようなプレーも見せる赤穂。

 一つひとつの質問に淡々と語りながらも内に熱い闘志を秘める期待のオールラウンダーは、来るワールドカップ予選でも、チームを盛り立てるようなプレーで日本を高みへと引っ張ってくれるに違いない。

取材・文=田島早苗

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