2022.01.30

積極的な攻撃を誓う馬瓜ステファニー…「それがチームにとっていい方向になるように」

合宿では笑顔は見られるが、“バチバチ”の場面もあると馬瓜は語った [写真提供]=日本バスケットボール協会
フリーライター

 182センチでインサイドからアウトサイドまで器用にこなす馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)は、昨夏、3x3女子日本代表として東京オリンピックに出場。そこで繰り広げられた世界のトップとの戦いでは、「コンスタントに点を取り続けることが大事だと思いました。前半でも後半でもどれだけ1本(のシュート)がチームに影響を与えるかということを感じました」という気づきがあったようで、その後の「FIBA女子アジアカップ2021」(2021年9月27日〜10月3日)では、「フリースロー1本から意識してやるようにしていました。それにゴール下のシュートが外れたとしても、セカンドチャンスを逃さないようにやっていました」という。

 女子日本代表はオリンピック以降、指揮官が恩塚亨ヘッドコーチとなり、アジアカップは新体制となって初の国際大会だった。その大会で、中国やオーストラリアといった強敵を打ち破り、日本は大会史上初の5連覇を達成。この時、馬瓜も主力として奮闘し、優勝に貢献する働きを見せた。

 だが、「アジアカップでは、あまり積極的に攻めていくことがなかった」と馬瓜は言う。そのため、2月に大阪で開催予定の「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ 2022 予選」(以下ワールドカップ予選)に向けては、「もっと得点に絡んでいけるようにしたいです。それも、ただガムシャラにやるのではなく、それがチームにとっていい方向になるように。海外の選手、大きい選手に対してアタックすることは3x3で学んだことなので、そこをもっと出していきたいです」と抱負を語る。

 現在は、大会に向けた合宿の真っ最中だが、「恩塚さんのバスケットは、タイミングや(選手同士が)お互いに思ってることが通じたときには、本当にハマるという感じです」と馬瓜。最近では選手同士が無意識に動けるようになってきたとも語った。

 また、ワールドカップ予選ではカナダやベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナといった実力派チームとの対戦となるが、勝ち切るポイントを問うと、「ディフェンスでのコミュニケーションが取り切れてないかなと思うので、積極的に、間違えてでも声を出して、もっとお互いに思ってることを伝えられたらいいなと思います。コート外では多くコミュニケーションを取れているので、それがコートの中でも常に取り合えるようになったらもっと強くなると思います」と、ディフェンス面をポイントに挙げた。

「一人ひとりのプレーのレベルが高いと感じます。それに、選手みんな、心のどこかでは負けたくないと絶対に思っていると思うので、バチバチというか、(練習では)誰が相手であろうと、みんな向かっていってるなと感じます」と練習の様子を語った馬瓜。もちろん、馬瓜自身も“バチバチ”の闘志を燃やしている一人であることは言うまでもない。最後には「カナダやベラルーシなど、フル代表とは対戦したことがないので、そういったチームに自分自身がどれだけ通用するのか、すごく楽しみにしています」と声を弾ませていた。

取材・文=田島早苗

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