2022.02.01

「3ポイントシュートは“入る”という前提で」…多様なパターンからの得点を狙う林咲希

「自分のレベルアップ、もっとうまくなりたいという気持ちでやっています」と林は前向き [写真提供]=日本バスケットボール協会
フリーライター

 1月31日、女子日本代表のオンライン会見が行われ、林咲希(ENEOSサンフラワーズ)が参加した。

 大阪にて開催予定の「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022 予選」(以下ワールドカップ予選)に向けた合宿の最中である女子日本代表。昨秋の「FIBA女子アジアカップ2021」に続いてキャプテンを務めることとなった林は、「アジアカップの時とは違い、お姉さん方が入って、質の高いバスケットができているのではないかなと思っています。私自身もすごく楽しくやれている状況です」と合宿についてこう語った。

 お姉さん方というのは、髙田真希(デンソーアイリス)、渡嘉敷来夢(ENEOS)、近藤楓(デンソー)といったキャリア豊富なベテラン選手たち。若手中心だったアジアカップでは、現在26歳の林が最年長だったが、今のチームではちょうど中間の位置。中堅という立場で、年下の選手と年上の選手の中継役になったり、コミュニケーションを図ったりしているそうで、「アジアカップの時は(年齢が)一番上だったので、“全体を見なきゃ”という気持ちだったのですが、お姉さん方が来てくれたおかげで、真ん中(の位置)から“全体を見渡せる”ようになり、視野も広くなったのかなと感じています」と語った。

 個人のプレーに目を向ければ、アジアカップでも取り組んでいたように、今回も「3ポイントシュートだけではなく、ドライブやジャンプシュートも今は練習の中でやっています」という。代名詞である3ポイントシュートに関しては、「3ポイントシュートは“入る”という前提で」と頼もしい言葉も聞かれた。

「オリンピックの時に3ポイントシュートしかなくて、アメリカ戦で止められたことがすごく悔しかったので、これからどんどん新たな自分を見せつけたいなという思いでやっています」と銀メダルは獲得したものの、昨夏に味わった悔しさは今も忘れてはいない。

 そんな林は、「今の自分を変えたいというか、もっとうまくなりたいという気持ちでやっているので、今までだったら3ポイントシュートだけだったのですが、それをジャンプシュートやレイアップシュートなどにもっと磨きをかけたいと思って臨んでいます。それに他の選手からもいろんなプレーを学び、素晴らしい選手たちと切磋琢磨できることは自分自身に課題を与えてくれることなので、自分のレベルアップ、もっとうまくなりたいという気持ちでやっています」と日本代表活動へ思いも語ってくれた。

「渡嘉敷さんや髙田さんがセンターで中心になってやれているので、アジアカップの時のプレースタイルよりも、一つ新しいプレーができるようになっていると思います」とチームについて語った林。ベテラン勢の理解力の早さや、「あ、こういうのもあったんだということをプレーで表現してくれる」といった発見もあるようで、「(新たな)日本チームが出来上がっている」と口にした。

「(プレーの中での)頭の切り替えを早くやっていけたら」と意気込む林。指揮官も信頼を置くキャプテンは、アジアカップに続き、ワールドカップ予選でも、チームを勝利へ導いてくれるに違いない。

取材・文=田島早苗

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