2019.05.09

宮城MAX“打倒王者”に燃えるライバルを退け、11連覇の快挙達成となるか！？

昨年MVPを獲得した土子大輔（写真右）をはじめ日本代表でも主力を務める選手がそろう宮城MAX [写真]＝斎藤寿子

斎藤寿子

新潟県出身。大学卒業後、業界紙、編集プロダクションを経て、2006年よりスポーツ専門ウェブサイトで記事を執筆。車いすバスケットボールの取材は11年より国内外で精力的に活動を開始。パラリンピックは12年ロンドンから3大会連続、世界選手権は14年仁川、18年ハンブルク、アジアパラ競技大会も14年仁川、18年ジャカルタの各大会をカバーした。

　初優勝した2008年以降、黄金時代を築いてきた宮城MAX。昨年はついに大会史上初の10連覇の偉業を成し遂げた。

　チームを無敵の王者へと押し上げたのが、現在チームのアドバイザーを務める岩佐義明氏だ。

　岩佐氏は、08年北京パラリンピックでは女子日本代表を４位とメダルまであと一歩のところへと導き、12年ロンドンパラリンピックでは男子日本代表、そして現在は東京パラリンピックを目指す女子日本代表を指揮している。

　もともと健常のバスケットボール選手として大学までプレーした岩佐氏が、チームにもたらし、現在も強さの柱となっているのがアーリーオフェンス。アグレッシブなディフェンスからボールを取った瞬間の走りとスピードには大きな自信を持つ。
　
　チームは日本代表も多く輩出しており、男子のキャプテン豊島英（宮城MAXでは副キャプテン）と女子のキャプテン藤井郁美をはじめ、男女ともに日本の中心選手が主力となっている。

　なかでも長い間日本のエースとして活躍し、14年からはドイツ・ブンデスリーガでもプレーしてきた藤本怜央は、得点王12回、MVP4回と大会の“顔”とも言える存在。そして、その藤本の記録を阻んできた土子大輔の存在も欠かすことはできない。

　17年はライバルの千葉ホークスのエースだった土子が、12回連続を狙った藤本から得点王を奪い、さらに宮城MAXに加入した昨年は、藤本にとって2大会連続、通算5回目のMVPの座を奪った。

　いずれにしても、高さがあり、アウトサイドからのシュート力もある２人のポイントゲッターを擁する宮城MAXは、今年も優勝候補の筆頭であることは間違いない。

文・写真＝斎藤寿子