2019.05.11

埼玉ライオンズが全員バスケで準決勝進出

18歳の赤石竜我を先頭にスピーディなバスケを展開した埼玉ライオンズが勝利 [写真]=張理恵
十数年にわたりラジオディレクターとして活動した後、カナダに留学。帰国後の2016年からパラスポーツの取材を始め、18年車いすバスケットボール世界選手権、アジアパラ競技大会をカバーした。

 5月10日に行われた「天皇杯 第47回日本車いすバスケットボール選手権大会」1回戦の第2試合は、東日本第2次予選3位の埼玉ライオンズ(関東ブロック)と前回大会準優勝チームのNO EXCUSE(東京ブロック)の一戦。準優勝5回を誇るNO EXCUSEに、健常者プレーヤーの加入で戦力を増した埼玉ライオンズが挑んだ。

 序盤から速い攻撃でリズムを作ったラインオンズは、ディフェンスでもペイントエリア内に入れない堅い守りでNO EXCUSEの動きを封じた。試合開始から5分半、無得点に抑えるなど第1クォーターからゲームの主導権を握る。

 徐々にペース取り戻したNO EXCUSEは、第2クォーターでは互角の戦いを見せ、前半を34-23の11点ビハインドで折り返した。

 どうにか巻き返しを図りたいNO EXCUSEだが、選手交替をしながら常にフレッシュな状態で戦うラインオンズは、後半に入ってもスピードが落ちることはなかった。ライオンズのチーム最年少、18歳の赤石竜我(持ち点2.5)が、得意とする独走からのレイアップシュートを次々と決め、昨年の準優勝チームを引き離す。

 さらに、すでに大学時代から10年以上のプレー経験を持つ健常者の大山伸明も着実に点を重ねチームを勢いづかせた。

 それでも粘りを見せるNO EXCUSEだったが、第3クォーターで、ライオンズの激しいボールプレッシャーによりターンオーバーが続いてしまったことが大きく響き、最大24点まで広がった差を埋めることはできなかった。

 全員バスケで戦ったラインオンズが72-57で勝利し、準決勝へと駒を進めた。

 NO EXCUSEのエース、香西宏昭がドイツリーグ参戦のため不在となる中、彼にメッセージを送って試合に臨んだというキャプテンの湯浅剛。「本当に悔しい。宏昭にも申し訳ない。ただ、日本一のチームワークで優勝するということをテーマに掲げて戦い、相手に向かっていくという姿勢は見せられたのではないかと思う」と涙を浮かべながら言葉をつづった。

 一方、埼玉ライオンズの藤澤潔は「昨年の大会でNO EXCUSEに敗れて1年間チームを作ってきた。ラインを強化して戦えるチームになったことが大きい」と勝因を語った。

 埼玉ライオンズは11日、準決勝でパラ神奈川スポーツクラブとの戦いに臨む。東日本第2次予選では逆転負けを喫したライバルにリベンジを誓った。

文・写真=張理恵

天皇杯 第47回日本車いすバスケットボール選手権大会のバックナンバー

BASKETBALLKING VIDEO