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アメリカの根深い銃社会からバスケットボール界に、再び信じがたいニュースが舞い込んできた。4月14日(現地時間13日)、高校バスケのエリートガードとして名を馳せるマイキー・ウィリアムズが、凶器を使用した暴行容疑によりサンディエゴで逮捕されたと、『ESPN』が報じた。
サンディエゴ保安官事務所および警察の調書による証言は以下のとおりだ。
4月11日(同10日)、ある住宅で口論が起き、複数の人間が退出を命じられた。そして、5人が自動車に乗り込むと、走り去る際に発砲。弾丸は車に直撃したが、幸いにもケガ人は出なかった。この“ある住宅”が、ウィリアムズの自宅だったようだ。
ウィリアムズには複数の容疑がかけられているものの、そのうちの一つとされる銃器を使用して他人に暴行を加えた疑いで、実際に罪に問われる可能性があり、この罪状はカリフォルニア州刑法で最高4年の禁固刑が課される。また、ウィリアムズは現在、5万ドル(約670万円)の保釈金を支払い釈放済みだが、4月21日(同20日)に出廷が予定されているという。
同選手が起用したサンディエゴの刑事弁護士、トロイ・P・オーウェンス氏は、この事件について以下のようにコメントした。
「口論は招待されていない複数の個人が自宅に上がり、彼らが騒ぎを起こしたことによって発生しました。この騒動の余波で発砲の報告を受けています。ウィリアムズ氏は、銃撃犯の説明と一致すると言われており、その結果、家宅捜査が執行され、逮捕に至りました。彼は司法制度で定められた手続きを済ませ、あらゆる疑惑に対処する準備ができています」
「ウィリアムズ氏が18歳の高校生であるという事実をご理解いただき、ハラスメントや脅迫はご遠慮を願います。我々は、ウィリアムズ氏の名誉を傷つけるような、事実と異なる作り話がネットで拡散されていることを認知しています。我々は真実が明かされることを確信しており、ウィリアムズ氏は法廷で有罪判決が下されるまでは無罪と推定されます」
ウィリアムズは、高校生番付の『ESPN 100』で34位、『247 Sports』で17位にそれぞれランクインするポイントガード。14歳の頃、AAU(アマチュア運動連合)主催のトーナメントに参加した際に豪快なイーストベイダンクを叩き込んだ映像で一躍話題となり、現在はInstagramに約400万人、TikTokに200万人以上のフォロワーを抱え、プーマとも契約を結ぶ学生アスリート屈指のスーパースターだ。
カンザス大学、南カリフォルニア大学(USC)、アリゾナ州立大学など数々の名門からオファーを受け取っていたウィリアムズは、ペニー・ハーダウェイヘッドコーチ率いるメンフィス大学への進学が決定していた。同校は事件の発生について「状況を認識しており、より多くの情報を収集しております」と声明を発表した。
NBAではジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)の拳銃所持が取り沙汰されたばかり。しかし、銃にまつわる事件は大学レベルでも後を絶たない。2022年11月、ニューメキシコ大学とニューメキシコ州立大学のバスケットボールの試合前に銃撃が発生。後者に所属するマイク・ピークが正当防衛を理由に、ライバル校のブランドン・トラビスを射殺したとされており、アシスタントコーチの部屋からは使用された拳銃が発見された。また、罪にこそ問われなかったものの、2月にはNBAドラフト2023でトップ3に入るブランドン・ミラーが殺人に使用された銃の受け渡しに関与したことも話題となった。
ウィリアムズの罪状や判決については、続報を待つ必要がある。いずれにせよ1日でも早く、バスケットボールが野蛮な暴力から切り離される日が来ることを願うばかりだ。
文=Meiji