2022.01.17
サクラメント・キングスが今季あと2試合を残した時点で、チーム最多となる1試合平均6.9リバウンド1.1スティール0.9ブロックショットを記録しているウィリー・コーリー・スタイン。得点はチーム3番目で、3年目のキャリアで最多の12.5得点だ。
コーリー・スタインは、ディフェンスにおいて多才なビッグマンであることを買われて2015年のドラフトで、キングスから1巡目全体の6位で指名された。しかし、7フィート(約213センチ)でウィングスパンがあり、素早く動けるために4つのポジションをガードできるという能力もNBAではなかなか発揮できず、ルーキー時から存在感を見せる試合があったかと思えば、役に立たなかったりと、期待していいのか、しない方がいいのか、わからない選手だった。
だが、今季を戦っていくうちに本人の中で変わったことがある。「自分はこのチームのリーダーになる」という意識だ。
キングスは今季を迎えるにあたり、ザック・ランドルフ、ビンス・カーター、ジョージ・ヒル(2月にクリーブランド・キャバリアーズへトレード)というベテランを加えた。その中にあって24歳のコーリー・スタインが12月末、すでに自らを「リーダー」と呼んでいたのだ。
「このチームのリーダーとして言いたいことは、それぞれが責任を持たなくてはならないということだ。コーチに正される前に自分で気づかなければならないし、選手同士で指摘し合わなければならない。指摘されてムカッとくるのではなく、仲間が自分を助けようとしてくれていると受け止め、それを成長の材料としなければならない」と訴えた。
そんなコーリー・スタインに対し、キングスは今季攻撃を進める役割をさせた。判断力を高めるためで、その結果今季自己最多の2.3アシスト。キングスではディアロン・フォックス、ボグダン・ボグダノビッチ、フランク・メイソンのガード3人に続く9試合でチームのアシストリーダーとなっている。
「このチームはもっとアグレッシブにならなければいけない」とゴール下へ突っ込むプレーを増やし、フリースローの数も大幅に増加させた。ディフェンスでは「誰かが率先してやらなければ」とリバウンド、ブロックショットだけでなくスティールにも挑んだ。以前は全体の6位指名らしいプレーにとらわれていたが、今は純粋に「このリーグでベストプレイヤーの一人になりたい」と思っている。「キングスの将来を担う選手?もちろんなりたい」とコーリー・スタイン。
フォックス、ボグダノビッチら伸びしろのあるルーキーが加入したキングスは間もなくオフシーズンを迎える。しかしコーリー・スタインの中では、来季チームの先陣を切る準備は整っている。
文=山脇明子
2022.01.17
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