2020.01.18
ポートランド・トレイルブレイザーズ一筋、キャリア8年目のデイミアン・リラードは、今季25試合に出場して平均26.3得点4.3リバウンド7.4アシスト1.0スティールと上々の成績。
アシストはキャリアハイのペースで量産しているほか、自慢の3ポイントも成功数(平均3.3本)、試投数(平均9.0本)でいずれも自己最多を記録。ブレイザーズはリラード、CJ・マッカラムの2枚看板に加え、大ベテランのカーメロ・アンソニーが3番手の得点源となったほか、12月に入ってセンターのハッサン・ホワイトサイドが好調だ。
12月に入っても3勝4敗と、勝率5割に届かず、ブレイザーズは11勝16敗でウェスタン・カンファレンス10位。それでも、7位タイのオクラホマシティ・サンダー、サクラメント・キングスとのゲーム差は1.5まで縮まっている。
17日(同16日)のフェニックス・サンズ戦(ウェスト9位)では、終盤にリラードが決勝弾となる3ポイントプレーを決め切って敵地で勝利。この試合ではマッカラムが30得点、リラードが27得点、カーメロが23得点と、3選手が20得点以上を記録しており、上昇の兆しを見せていると言っていいだろう。
そんなリラードの代名詞と言えば、やはりディープスリー。コート中央のロゴのエリア付近から放つ“ロゴ・スリー”としても知られる超長距離砲である。
NBAではジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)やステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)がこのディープスリーを淡々と沈めているのだが、リラードは「これは決して偶然なんかじゃない」と断言。
「彼らは時間を費やして(ディープスリーを)こなしている。そうすることで心地よくなり、自信を持つようになったんだ」と『ESPN』へ語っていた。
キャリアを通じて、何度もクラッチショットを沈めて“デイム・タイム”を演出してきたリラードが、ディープスリーの精度を高めたのは約1年半前のこと。
2018年のプレーオフ1回戦で、ニューオーリンズ・ペリカンズに4連敗を食らったことを機に、リラードはアグレッシブにガードしてくる相手チームを蹴散らすべく、新たな武器を必要としていた。そこでシュートレンジを広げないと、ダブルチームに打ち勝つことができないと感じていたという。
トレーナーらと一緒に「俺たちは実にいろんな方法でディープスリーを練習してきた」リラードは、2018年のオフシーズンにドリルを通じてゲームライクな状況を意識してこなしてきた。
「(ボールを)バウンドさせずにシュート、ジャンプせずにシュート。流れのない中でシュート、しゃがんだ状態から起き上がってシュート。俺はそうやって心地よくない態勢からも放ってきた。その中でも、正確なショットを放てるようにやってきたんだ」
昨季プレーオフ1回戦。オクラホマシティ・サンダーとのシリーズ第5戦で、ポール・ジョージ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)を相手にシリーズ決着ブザービーターとなるディープスリーを決めた時、リラードは誰よりも平然としており、「これは偶然なんかじゃない」とでも言わんばかりの表情をしていたことが印象に残っているという人も多いはず。
今後も続く長いシーズンの中で、リラードは何度もこのディープスリーを駆使してブレイザーズを勝利へと導いていくに違いない。特に試合終盤、この男が繰り出すプレーには是非とも注目していただきたい。
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