2020.10.12

第6戦で執念の復帰を飾ったゴラン・ドラギッチ「コートに出てチームを助けたかった」

ファイナル初戦で負傷も、第6戦で復帰したドラギッチ(左)[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

「復帰できるチャンスは、ほんのわずかだった。でも僕は自分を駆り立ててきた」と左足底筋膜の断裂から戻ってきたベテラン

 10月12日(現地時間11日)。NBAファイナル第6戦が行なわれ、ロサンゼルス・レイカーズがマイアミ・ヒートに最大36点差をつけて106-93で制し、4勝2敗で通算17度目のNBAチャンピオンとなった。

 ヒートはケガ人を抱えながら、超人的な活躍を見せたジミー・バトラーと見事な采配をしたエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)を中心に2勝をあげたものの、第6戦は前半からフリースローミスやショットミスが目立ち、ついに力尽きることに。

チームのために治療を受け続けたドラギッチがコートに立った[写真]=Getty Images

 この試合ではバム・アデバヨが25得点10リバウンド5アシスト2ブロック、ジェイ・クラウダーが12得点、ダンカン・ロビンソンが10得点、ケリー・オリニクが9得点7リバウンドを残すも、バトラーは12得点7リバウンド8アシストに終わった。

 そんな中、第1戦の前半に左足底筋膜を断裂し、欠場を続けていたゴラン・ドラギッチがついにコートへ立った。18分55秒プレーし、5得点5リバウンド2アシスト1スティールをマーク。

「復帰できるチャンスは、ほんのわずかだった。でも僕は自分を駆り立ててきた。できる限り、全ての治療をしてきたんだ。今日でさえ、僕は駆り立てたんだ」と振り返ったドラギッチは、本来の動きではないこともあったが、持ち味である左腕を駆使した技ありのレイアップを放り込み、アデバヨへ絶妙なロブパスを上げてダンクを演出するなど、ファイナルという最高の舞台で自身のプレーを見せつけた。

 本来であれば1、2か月は痛みでプレーできないケガを負ったドラギッチ。「この10日間というもの、僕にとっては地獄だったよ」と振り返るのも無理はない。だが34歳のベテランは「僕は可能な限り、コートに出てこのチームを助けたかった。でも、これが現実ってこと。レイカーズの方がいいチームだったんだ。僕らは戦い抜いた。不運なことに、今夜勝つことはできなかった。だから前に進まなきゃいけないね」と語った。

 次に必要な治療について聞かれたドラギッチは「ただ休むこと。休息さ」とシンプルに切り返していた。今季終了後に制限なしフリーエージェント(FA)となるベテラン司令塔は、今季の活躍で評価を高めたことは間違いない。

 ヒートと再契約する可能性は高いものの、来季もヒートのユニフォームを身にまとうかどうかは、FA戦線が幕を開けてみなければ分からない。今はただ、1年間以上に渡って戦い抜いた身体を休めて、リラックスしてほしいところだ。

NBA有数の技巧派レフティ、ドラギッチが見せた執念の復帰は見事だった[写真]=Getty Images

ゴラン・ドラギッチの関連記事