2024.11.16
練習嫌いの選手といえば、4度のNBA得点王であるアレン・アイバーソンが有名だが、ニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)もAIに負けじと劣らない怠け者なのかもしれない。
今シーズンも圧巻のプレーを継続するヨキッチだが、『The Denver Post』の元記者であり、現在はナゲッツの球団所属となったマイク・シンガー氏によると、キャリア初期のサボり癖は目に余るものがあったという。
近日発売予定の著書『Why So Serious? The untold story of NBA champion Nikola Jokic』では、そんなヨキッチの過去が赤裸々に明かされている。
ドラフト41位という指名順位も示すとおり、かつてのヨキッチは決してNBAからの注目の的ではなかった。シンガー氏は「ESPN」のPodcast『The Hoop Collective』に出演し、ヨキッチがコンディション調整に苦労した過去の衝撃エピソードを暴露した。
「最初のコーチはヨキッチがいつ練習するかを詳細に記録していました。彼は試合の予定があるときだけ練習し、ないときは練習を怠っていました。川に行ったり、ジム以外のどこにでもいました。この練習記録によれば、彼は3回連続で練習に参加し、試合に参加。その後、チームの練習を12回連続で欠席しています」
3度のMVPを獲得した選手とは思えないストーリーだが、当時のヨキッチの年齢は12歳前後だった模様。また、過去の練習記録を見せられたジョーカーは肩をすくめて、「僕は何をすればよかったんだ?」と困り顔だったという。
ヨキッチはとにかく練習嫌いで、中でもコンディション調整には相当の嫌悪感を抱いていたそう。
「この本に書いたことでは、練習から抜け出すためにケガしたふりをしたときもありました。走ることが大嫌いで、それはチームメートも周知だったが、ヨキッチはとても優秀な選手だったので、チームメートは彼を必要としていたのです」
「チームメートが競馬場を走ってコンディション調整をしているとき、ヨキッチは競馬場の内側で競走馬のトレーニングをしていました。チームメートたちは彼に懇願し、『お願いだから一緒に走ってくれないか』と声をかけると、彼は荷馬車の上から足を離してジョギングする真似をし、『これが僕が提供できる最高のパフォーマンスだ』と言ったそうです」
ヨキッチの馬への愛情は、オフの生活からも広く知られていることだが、同選手の父親や親しい友人たちは「バスケットボールに集中しなければ馬に携わることはできない」と、競馬をバスケの練習の交渉材料に使用していたという。
シンガー氏とヨキッチの会話時間は23分程度と短いものだったが、本書の執筆においては父親をはじめとする家族との会話や故郷ソンボルの訪問により、充実した内容になったと語る。
是非、マイケル・マローンHCにも練習嫌いなヨキッチの取扱説明書を執筆してほしいものである。
文=Meiji
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