2026.08.08
今夏のオフを騒がす、カワイ・レナードとロサンゼルス・クリッパーズを巡るサラリーキャップ回避疑惑だが、解決に向かうどころか、ここにきて新たな企業の名前が浮上した。
ジャーナリストのパブロ・トーレは、自身のポッドキャスト『Pablo Torre Finds Out』で、レナードがクリッパーズの本拠地『イントゥイット・ドーム』の巨大ビデオボードを製造した「ダクトロニクス」社と、数百万ドル規模のスポンサー契約を結んでいたと報道。これは今まで公になっていなかった内容であり、スタジアム建設に関わった匿名の情報筋は、クリッパーズからダクトロニクス社を経由して、レナードに資金が流れていたと主張している。
サウスダコタ州に本社を構えるダクトロニクス社は、LEDスコアーボートやビジョンディスプレイの設計、製造分野において、業界トップシェアを誇る企業。同社はクリッパーズに限らず、フェニックス・サンズ、デトロイト・ピストンズ、ブルックリン・ネッツなど、複数のNBAアリーナ向けにビデオボードを製造した実績を持つ。
「ダクトロニクス」側の広報担当者は今回の報道について、「現在はカワイとの契約はございません」と回答するにとどまり、過去の契約については言及を避けた。また、クリッパーズも本件についてはコメントを発表していない。
トーレが報じたのは、あくまで複数の関係者の証言であるということ。だが、レナードとクリッパーズはすでに“調査下”にあり、それが事態をより大きなものにしようとしている。
現在、レナードはアスピレーション社と2022年に結んだ4年総額2800万ドル(約44億4000万円)のエンドースメント契約について、これが実質的にクリッパーズからサラリーキャップ外の報酬を得る仕組みだったのではないかとの疑惑が報じられている。一方、クリッパーズと同社の関係は、オーナーのスティーブ・バルマーが個人会社を通じて、2021年に同社へ5000万ドル(約79億2000万円)を投資。そして、同月にクリッパーズとアスピレーション社が総額3億ドル(約475億4000万円)のスポンサー契約を締結してから半年後に、レナードと同社の個人契約が締結されている。
この構図だけで違反が成立するわけではない。『ESPN』が入手したレナードとアスピレーション社の契約書には、撮影やイベント参加など具体的な業務も記載されており、複数のNBAエージェントは契約内容自体は一般的なものであるとしている。レナードも実態のない名目上の契約であるという指摘を否定しており、バルマーも球団が契約を仲介した後は関与していないと主張している。
NBAが調査しているのは、レナードとスポンサー企業の契約そのものではなく、契約およびその報酬がクリッパーズでプレーする“対価”として設定されたかと、球団がそこに関与していたかどうかということ。ここがクリアにならなければ、ブランドン・イングラムやグレイディ・ディックを含むトロント・ラプターズとのトレードは保留となり、NBPAが仲裁を求めれば、決着は2027年まで延びる可能性まで報じられている。
NBAが設定するサラリーキャップ制度は、育成選手さえも抱えることが困難になるケースが生じたり、多方面からの議論がなされている。それでも制度は、リーグと選手会が合意の上で設定されたルールであり、抜け道があることは許されない。
トーレの情報投下により、さらに複雑化したレナード問題。ファンたちは皆、ただの疑惑や憶測であることと、一日でも早い解決を望んでいる。
文=Meiji
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