2025.08.26

NBAの年俸王!9年連続で年俸ランキング1位に君臨するプレーヤーとは…給与総額は600億円超

カリーの“長期政権”はまだまだ揺るぎない? [写真]=Getty Images

 NBAのオフの名物と言えばトレードが挙げられるが、同時に主要選手との契約延長も重要なファクターだ。それはスター選手になればなおさら。スーパーマックス契約と呼ばれる名前からしても莫大な金額をイメージさせるこの契約は、サインされた翌日には主要ニュースメディアのヘッドラインを飾っている。

 世代交代の波が押し寄せている今、毎年のように超大型契約が巷を賑わせている。しかし、殿堂入りが確実視される猛者たちがひしめく中、ここ数年のサラリーランキングでは1人の選手がトップを独占してきたのをご存じだろうか。

 ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、まもなく開幕する2025−26シーズンを含め、9シーズン連続でNBAの年俸ランキングの頂点に君臨している。今シーズンのサラリー約5960万ドル(約87億6120万円)は、ビッグマン時代の主役を張るニコラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)やジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)の約5520万ドル(約81億1440万円)を凌ぎ、37歳というキャリア晩年になっても頭一つ抜けた存在となっている。

 過去を振り返っても、カリーは首位の座を堅持してきた。昨シーズンもヨキッチ、エンビードを上回る約5580万ドル(約82億260万円)を受け取り、2023−24シーズンにはNBA選手で史上初となる年俸5000万ドル(約73億5000万円)の大台に到達。また、年俸4000万ドル(約58億8000万円)の壁を塗り替えたのも他でもない、2019−20シーズンのカリーであり、シューターの最高傑作は自他共に認める”年俸王”なのだ。

 年俸ランキングのトップにカリーの名前がなかったのは、2016−17シーズンにまでさかのぼり、この年は当時クリーブランド・キャバリアーズに在籍していたレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が玉座に座っていた。同年のカリーの年俸はわずか1210万ドル(約17億7870万円)となっており、カリーは全体80位以内にもランクインしておらず、この金額は当時のチームメイトだったケビン・デュラント(ヒューストン・ロケッツ)の半額以下だった。

 カリーに限らず、近年の大幅な年俸増の背景には、2016−17シーズンに更新された放映権契約と、2017年のCBA(団体交渉協約)で新しく作られたスーパーマックス契約の2つが大きな要因とされている。

 2016−17シーズンの開幕時、サラリーキャップは7000万ドル(約102億9000万円)から9410万ドル(約138億3270万円)まで大幅に引き上げられた。これはNBAの歴史を振り返っても前例のない増額であり、その要因は同シーズンにスタートした新放映権契約によるリーグの収入増にあった。また、チームが成長させた選手を長期に引き止める目的で誕生したスーパーマックス契約は「7〜8年目の選手でも条件を満たせばサラリーキャップの35パーセントの契約を与えられる」というもので、これによって中堅選手たちもフランチャイズの未来を背負うと同時に高額年俸を獲得する流れが加速した。

 カリーは、直近の9シーズンで合計4億1660万ドル(約612億420万円)のサラリーを受け取っている。そして、2026−27シーズンには更なる大台の年俸6000万ドル(約88億2000万円)の突破も控えており、カリーはレギュラーシーズンの試合数で年俸を割った単純計算で、1試合につき約76万ドル(約1億1172万円)を稼ぐ見込みだ。

 圧倒的な実績とフランチャイズの看板を背負う責任感によって、他の追随を許さない市場価値とブランド力を確立したカリー。何事もなければ、10年連続のサラリーキングは確実となっている。

文=Meiji

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