2020.10.12
10月1日(現地時間9月30日、日付は以下同)。イースタン・カンファレンス第5シードのマイアミ・ヒートは、ウェスタン・カンファレンス第1シードのロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナル第1戦に臨み、98-116で敗れた。
第1クォーター最初の約6分間こそ、ショットが次々と決まり、残り5分38秒で23-10と2ケタリードを奪ったものの、レイカーズがベンチメンバーの投入を機に徐々に巻き返し、バム・アデバヨが2ファウルでベンチに下がったことでインサイドを制圧。
ヒートはレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスのペイントアタックを防ぐべく、ボールを持ってドリブルを始めてからショットに持ち込まれるまでにダブルチームを敷いたものの、ボールムーブの末に数多くの3ポイントを許し、リードを広げられてしまった。
そして前半にジミー・バトラーが左足首を捻ってしまい、ゴラン・ドラギッチが左足底筋膜を断裂、さらにはアデバヨも左肩を痛めてしまい、バトラーを除く主力2人がコートに戻れず窮地に陥った。
そんな中、出番を待ちわびていたケンドリック・ナンがベンチから18得点、タイラー・ヒーローが14得点と、ルーキーデュオが加点し、何とか点差を縮めたことは次戦に向けてポジティブな要素となったと言っていい。
3日に行なわれる第2戦に向けて、アデバヨは可能な限り治療を受けて何とか出場する方向のようだが、ドラギッチについてはシリーズ絶望となってもおかしくはないケガなだけに、判断が難しいところ。
「俺、それに俺たちは彼のためにここにいる。俺たちは彼がどれだけ勝ちたがってるか、どれほどコートに出て皆と戦いたがっているかを痛いほど分かってる。俺たちは彼のことが大好きなのは当然で、皆が彼とプレーしたがってる。ドクターが彼になんと言おうと、彼にどれだけのことができるかが大事になってくる。……でも、彼には自身の身体のことを第一に考えてもらいたい」。
試合後にバトラーが口にした言葉からも、ドラギッチがヒートでどれだけ重要な存在なのかが分かる。
キャリア12年目の34歳は、前日に行なわれた会見で「僕は優勝するためにここへ来た」と話しており、「この組織にいる人たちは、僕のことを信じてくれている。僕は全てのファンへ、サポートしてくれていることに感謝しているんだ。だから僕は自分の100パーセントの力を持ち込もうとしている」という言葉を残していただけに、もしこのままシリーズ復帰絶望となれば、あまりにもつらく、ドラギッチだけでなくチーム全体にも精神的なショックを与えることになるだろう。
今後アデバヨも万全なコンディションでプレーできないとなれば、ケリー・オリニクとマイヤーズ・レナード(あるいはユドニス・ハズレム)、シリーズ初戦で18得点したナンやヒーローといった選手たちのステップアップが不可欠となる。
はたして、ヒートはどのようなメンバー構成で次戦に臨むのか。第4クォーターに見せたような粘り強さを試合全体で持続できれば32点差も広がることはないだろうが、ドラギッチとアデバヨは紛れもなくこのチームの主軸だけに、中1日で切り替えることも重要になってくるのではないだろうか。
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