2021.08.13

NBAがルール変更を発表…故意な接触や進路変更はオフェンスファウルになる場合も

オフェンス側が意図的に腕を絡める行為はノーファウルと判定される[写真]=Getty Images

 NBAが、昨シーズンまでオフェンスに有利とされていたルールの変更を発表した。

 リーグが今回の変更で着手したのは、“バスケットボール的ではない動き”でファウルを引き出す行為について。これらの動きは、一部では“技術”という意見もあったが、ルールの抜け穴を突いた狡猾な手口として、被ファウルおよびフリースローの試投回数の増加による停滞や試合時間の延長、またディフェンス選手が防ぎようのないプレーとして、ここ数年間、問題視されてきた項目だ。

 今回の変更にともない、協会は公式Twitterにおいて、“バスケットボール的ではない動き”の一例を紹介している。

①シューターが異常な角度でシュートを放ったり、ディフェンダーに身を乗り出したりする行為
②オフェンス側の選手が急に進路を変更して、横や後ろのディフェンダーに接触する行為
③シューターが上または横に異常な角度で足を出す行為
④バスケットボール以外の方法でシュートを試みる過程において、オフェンス側の選手が腕をディフェンス側の選手に引っ掛ける行為
 
 ①は非常にサンプルの多かったプレーだ。例えば、オフェンスサイドでパス回しが行われ、3ポイントラインの外で待ち構える選手にボールが渡ったとする。ボールを受け取った選手はポンプフェイクなどを入れ、ディフェンスをブロックに飛ばせるが、それを見計らって身体を故意にぶつけてシュートを放ち、ファウルを引き出すような行為は以後、ノーコールとなる。ただし、常識外の過度な接触が発生した場合は、オフェンスファウルが吹かれる可能性もあるという。

 

 また、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)やステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がファウルを量産してきた②のプレーについても、厳格なジャッジが行われる。急な進路変更でディフェンダーに故意な接触を促し、それが通常着地すべきではないモーションだった場合、NBAは「オフェンスファウルが宣告されるべき」とコメントしている。

 ③や④についても、見慣れたプレーと言える。③はシュートモーション中、わざと足を前や横に出して対峙する選手と接触するもの。よく見かけた行為だが、こちらも今後は危険行為としてオフェンスファウルとなる。また、④も意図的に腕を絡めたりすることで接触をアピールするものであり、このプレーは相手のディフェンスを妨げたとして、ノーコールとなるようだ。

 これらのルールはすでにサマーリーグで適応されており、散見される①のプレーでは笛が吹かれることはなくなった。

 レギュラーシーズンが始まれば、トップチームの選手たちも新ルールへの適応が強制される。これらの変更が試合にどのような影響をもたらすのか。いずれにせよ、バスケットボールの魅力であるスピード感に拍車がかかることは間違いない。

 文=Meiji

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