2021.08.23
NBAが、昨シーズンまでオフェンスに有利とされていたルールの変更を発表した。
リーグが今回の変更で着手したのは、“バスケットボール的ではない動き”でファウルを引き出す行為について。これらの動きは、一部では“技術”という意見もあったが、ルールの抜け穴を突いた狡猾な手口として、被ファウルおよびフリースローの試投回数の増加による停滞や試合時間の延長、またディフェンス選手が防ぎようのないプレーとして、ここ数年間、問題視されてきた項目だ。
今回の変更にともない、協会は公式Twitterにおいて、“バスケットボール的ではない動き”の一例を紹介している。
①シューターが異常な角度でシュートを放ったり、ディフェンダーに身を乗り出したりする行為
②オフェンス側の選手が急に進路を変更して、横や後ろのディフェンダーに接触する行為
③シューターが上または横に異常な角度で足を出す行為
④バスケットボール以外の方法でシュートを試みる過程において、オフェンス側の選手が腕をディフェンス側の選手に引っ掛ける行為
①は非常にサンプルの多かったプレーだ。例えば、オフェンスサイドでパス回しが行われ、3ポイントラインの外で待ち構える選手にボールが渡ったとする。ボールを受け取った選手はポンプフェイクなどを入れ、ディフェンスをブロックに飛ばせるが、それを見計らって身体を故意にぶつけてシュートを放ち、ファウルを引き出すような行為は以後、ノーコールとなる。ただし、常識外の過度な接触が発生した場合は、オフェンスファウルが吹かれる可能性もあるという。
This play should result in a no-call, as the offensive player leans into the defensive player (at an abnormal angle), but the contact was marginal. If the offensive player had initiated more than marginal contact, an offensive foul would be the correct call. (4/7) pic.twitter.com/GUUL7C2ldY
— NBA Official (@NBAOfficial) August 8, 2021
また、トレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)やステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)がファウルを量産してきた②のプレーについても、厳格なジャッジが行われる。急な進路変更でディフェンダーに故意な接触を促し、それが通常着地すべきではないモーションだった場合、NBAは「オフェンスファウルが宣告されるべき」とコメントしている。
An offensive foul should be called on this play, as the offensive player uses his right shoulder and hip to dislodge the defender and the offensive player lands outside his normal floor position. (5/7) pic.twitter.com/w0Fc9z3p13
— NBA Official (@NBAOfficial) August 8, 2021
③や④についても、見慣れたプレーと言える。③はシュートモーション中、わざと足を前や横に出して対峙する選手と接触するもの。よく見かけた行為だが、こちらも今後は危険行為としてオフェンスファウルとなる。また、④も意図的に腕を絡めたりすることで接触をアピールするものであり、このプレーは相手のディフェンスを妨げたとして、ノーコールとなるようだ。
This play should result in a no-call, as the offensive player’s off-arm hooked the defender’s arm (in the process of abruptly attempting a shot in a non-basketball manner) but did not impede the defender’s ability to continue defending the play. (7/7) pic.twitter.com/AKEm0TeEwZ
— NBA Official (@NBAOfficial) August 8, 2021
これらのルールはすでにサマーリーグで適応されており、散見される①のプレーでは笛が吹かれることはなくなった。
レギュラーシーズンが始まれば、トップチームの選手たちも新ルールへの適応が強制される。これらの変更が試合にどのような影響をもたらすのか。いずれにせよ、バスケットボールの魅力であるスピード感に拍車がかかることは間違いない。
文=Meiji
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