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石川県代表の鵬学園高校は、『全国ベスト8』を掲げて2年ぶりのインターハイへ戻ってきた。
目標まであと1勝。しかし、その1勝をかけて挑んだ京都精華学園高校(京都府)との「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」3回戦は、51−110で無念のタイムアップ。第1クォーターで16点差をつけられると、次の10分間では14−31、第3クォーターでも10−42と容赦なく打ち負かされた。
鵬学園には杉吉優花・美咲という3年生の双子の姉妹がいる。ともに156センチと小柄ではあるが、マイボールになるや否や、持ち前のスピードを生かしてどんどんボールを前へ運び、チームカラーの堅守速攻を引き出す中心選手だ。背番号4を背負う姉の優花は、キャプテンとしてチームをまとめ、背番号5の妹・美咲はコート上では主に司令塔の役目を担う。
「相手はシュートを落としたあとの戻りが早くて、自分たちのブレイクが出せなかったです。スピードが自分の持ち味なんですけど、なかなかドライブインもさせてもらえなかったです」
今大会の戦いを振り返れば、初戦の富岡東高校(徳島県)戦では優花が26得点、美咲が18得点を稼いで快勝。(90−67)。続く2回戦の前橋市立前橋高校(群馬県)との試合も21点差で勝利し、2人は揃って10得点を挙げた。最後は大敗を喫したものの、後半は「今後のために」(優花)と、ベンチ入りした8名の下級生もコートに立ち、チームとしてはこの大舞台で貴重な経験を積んだとも言える。
それでも、チームの先頭に立つキャプテンは「まだ鵬学園は全国ベスト16を超えられていないので、超えたかった気持ちが強いです」と話し、首を縦には振らなかった。
「チームとしてはもっとディフェンスでプレッシャーを与えられるようにならなければいけないですし、個人的にはもっと外のシュート精度を上げられるようになりたいです」(優花)
「リバウンドはこれからもチームとしての課題です。個人としては3ポイントのシュート力と、もっとスムーズにボール運びができるようにならなければいけないです」(美咲)
ともに5歳からバスケットを始め、これまでずっと同じチームで戦ってきた。高校最後の夏を終え、杉吉姉妹は、高校最後の冬へと焦点を合わせる。
写真=伊藤 大允
文・取材=小沼克年