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昨季までの13シーズンのうち、プレーオフに11度進出してきたポートランド・トレイルブレイザーズが、今季ここまで27勝44敗と低迷している。
3月23日(現地時間22日、日付は以下同)を終えた時点で、ブレイザーズはウェスタン・カンファレンス12位。プレーイン・トーナメント最後の進出枠にいる10位のニューオーリンズ・ペリカンズ(30勝42敗)とのゲーム差は2.5のため、一発勝負のプレーイン・ゲームへ滑り込み、9年連続のプレーオフ進出を達成するチャンスこそ残されているものの、その可能性は低いと言わざるをえない。
というのも、ブレイザーズはエースのデイミアン・リラードが今季残り試合の全休が決定。さらに先発センターのユスフ・ヌルキッチ、トレードで2月に新加入したエリック・ブレッドソーがケガのため離脱しており、同じく途中加入のジョー・イングルズも今季絶望。ナシール・リトルもケガのため今季を終えており、得点源のアンファニー・サイモンズもケガのため離脱しているからだ。
それでも、22日のデトロイト・ピストンズ戦ではブランドン・ウィリアムズ(2ウェイ契約)が23得点6リバウンド3アシスト3スティール、ベン・マクレモアが21得点5リバウンド2スティール、ドリュー・ユーバンクスが17得点8リバウンド、CJ・エレビーが16得点8リバウンド3スティール、トレンドン・ワットフォードが13得点3スティール2ブロック、ジャスティス・ウィンズロウが10得点9リバウンドを残して119-115で勝利。
現役時代にピストンズのリーダー兼司令塔として活躍し、今季からブレイザーズの指揮官へ就任したチャウンシー・ビラップス(元ピストンズほか)は、ケガ人や主力のトレードによってメンバーが目まぐるしく入れ替わっている今季についてこう話していた。
「今シーズン、私はまるで3つか4つの異なるチームをコーチしているようなものだ。こうなってしまったことで、私はものすごく多くのことを学んだ。シーズン最初から、ゲームを締めくくろうと努力している。今シーズンにこうした経験を積むことで、すばらしいコーチングキャリアを送ることができるといいね」。
今季のブレイザーズはリラードやヌルキッチ、CJ・マッカラム(現ペリカンズ)といった主力をケガで欠き、ノーマン・パウエルとロバート・コビントン(ともに現ロサンゼルス・クリッパーズ)をシーズン途中に放出するなどロースターが二転三転し、苦しい戦いをしいられてきた。
ビラップスHC(ヘッドコーチ)にとっては苦しい出発となったのだが、本人は現状をポジティブに捉えており、試合に出場できる選手たちを指揮して勝利を目指している。昨季までのプレーオフの常連チームから今季はプレーオフ圏外へと低迷するも、指揮官はブレイザーズの現状が一から再びチームを作り直す状態ではないと語る。
「これは再建ではない。再編成なんだ。少し後退してしまうが、数人の若手を育成して自信を手にしている。それに(今季終了後には)フリーエージェンシーとドラフトがあるからね」。
ブレイザーズは2月に複数のトレードを成立させたことでキャップスペースに空きを作ることに成功。今夏にはヌルキッチやイングルズ、エレビーらが制限なしフリーエージェント(FA)になるほか、サイモンズが制限付きFAとなり、もしプレーオフ進出を逃せばドラフト14位以内の指名権も手にすることとなる。
もしこのままプレーオフへ出場できなくとも、ビラップスHCをはじめとするブレイザーズのコーチ陣やフロント陣は、今季の動きや選手たちの踏ん張りが、近い将来に大きなプラスとなると見ているはず。
リラードが完全復活して迎える来季に向けて、ブレイザーズは着実に一歩ずつ前へと進んでいると言っていいだろう。
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