Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
ゴールデンステイト・ウォリアーズは2019-20シーズンからの2年間、主力をケガで欠いたため低調な成績に終わった。しかし、スティーブ・カー率いるコーチ陣と優秀なフロントには今日までの道のりが見えていたのだろう。アンドリュー・ウィギンスのフィット、ケボン・ルーニーの台頭、ロールプレーヤーのリクルーティングには、どこを見ても失敗や落ち度はなかった。
ファンにとっての最大の朗報は、スプラッシュブラザーズに生え抜きの“三男坊”が誕生したことだろう。2019年に1巡目全体28位指名でウォリアーズに加入したジョーダン・プールは加入当初、Gリーグでの成長を促された選手だった。しかし、キャリア2年目にはステフィン・カリーの不在時にエースガードを任され、1試合平均12.0得点をマーク。
そして、主力が帰ってきた今シーズンは開幕前の練習からスターター陣を圧倒する活躍を見せ、クレイ・トンプソンの復帰後にはシックスマンの重責も全う。さらに、初のプレーオフではケガ明けのカリーをベンチスタートにさせられるほどの厚い信頼を勝ち取り、2試合で平均29.5得点5.5アシスト、フィールドゴール成功率65.5パーセントという驚異的なスタッツを記録している。
プールは試合では闘争心を露わにし、勝利への貪欲さを全面に押し出す一方で、試合後のインタビューからはとても勤勉で誠実なパーソナリティーが伝わってくる。ウォリアーズの背番号3を注意深く観察していれば、突然変異で急成長を遂げたのではなく、日々の努力の積み重ねが今日の彼を形成していることがわかるだろう。
その姿勢は体にも示されている。プールの左肩に漢字のタトゥーが入っていることをご存知の方は、意外に少ないかもしれない。
NBA選手やセレブリティの間では、漢字や中国語のタトゥーは決して珍しくはない。例えば、アレン・アイバーソンの首元には忠誠・忠実の「忠」のタトゥーが存在し、デリック・ローズの右腕には「耐心」、中国語で辛抱強い、根気を意味する漢字が刻まれている。
プールの左肩には、左から「ⅢⅥⅤ(365)」、「永远(日本語で“永遠”)」、「神」と記されている。「ⅢⅥⅤ」は、太陽暦の1年にあたる365日のことと見て大方間違いないだろう。以降はあくまで筆者の想像の域を超えないが、プールの人柄と現在の実力から推測するに、このタトゥーの文字列には「365日、死ぬまで努力を続ければ、神に近づくことができる」、「365日、厳しい修行に励むことで、永遠の神へと近づく」という意味合いが込められているのではないだろうか。
文=Meiji
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