2022.10.03

2戦とも欠場したクレイ・トンプソン…「ファンへ最高の思いをしてもらいたかった」

ジャパンゲームズを2戦とも欠場したトンプソン[写真]=伊藤 大允
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 ゴールデンステイト・ウォリアーズとワシントン・ウィザーズによる「NBAジャパンゲームズ2022」は、ウォリアーズが2試合とも勝利をおさめて大会を終えた。

 だがウォリアーズはクレイ・トンプソンアンドレ・イグダーラが2戦とも欠場。38歳のイグダーラは先月下旬に現役続行を発表したばかりで、トンプソンについてはスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が30日の第1戦前の会見で、2戦とも欠場することを発表。

 トレーニングキャンプ開始からわずか3日間の練習後にアメリカから日本へやってきたウォリアーズは、29日にチーム練習をこなして翌30日に第1戦、10月2日に第2戦を終えたのだが、「彼はまだプレーできる状態にはないということ。ご存じのとおり、我々は(トレーニング)キャンプの中でも非常に早い段階にある。(コンディション面で)安全でありたいし、彼には試合へ出場する前に強化してほしいんだ」と発言していた。

 『ESPN』によると、トンプソンは先週の時点でチームスタッフからジャパンゲームズではプレーできないだろうと通達されていたという。

 トンプソンは「この夏、僕はほとんどプレーしていなかった。この夏は健康体ではあったけどね」と切り出すも、「(スクリメージで)アキレス腱を断裂していたから、メンタル的にそこから抜け出すことが本当に辛かった。説明するのが難しいんだ。メンタルブロックか何かなんだ」と苦しい胸の内を明かしていた。

 今年1月に約2年半ぶりにコートへ復帰し、ウォリアーズの優勝に大きく貢献したとはいえ、トンプソンは2019年6月に左ひざの前十字靭帯(ACL)を断裂後、懸命なリハビリとワークアウトを続けて復帰を目指していた矢先、翌20年11月に右足のアキレス腱を断裂。2シーズン連続の全休を余儀なくされたこの大ケガは、オフシーズンのスクリメージ(練習試合)で負ってしまったため、この夏に長期離脱に追いやったケガをする危険性があるものに対して動き出せなかったということなのだろう。

3ポイントコンテストに参戦したトンプソン[写真]=伊藤 大允

 29日に都内某所で行われたチーム練習(一部公開)で、美しいジャンパーを連続して成功させていた男は、1日のサタデーナイトイベントの1つ、3ポイントコンテストでステフィン・カリーとタッグを組み、“スプラッシュ・ブラザーズ”として参戦。

 カリーが右コーナーで5本目のショットを放つと、リングをくぐり抜けることを見届けもせずにうしろを振り返るという、レギュラーシーズン中のパフォーマンスを見せれば、途中で交代したトンプソンも正確無比な美しいショットを精密機械のように繰り出し、計33得点をマークして優勝していた。

 それだけに、トンプソンがウォリアーズのユニフォームを身にまとってコートを動き回る姿を見るこができず、残念に思った方は多いはず。それはトンプソン自身も同じで、「悲しいよ。だって僕はあそこのファンの皆へ最高の思いをしてもらいたかったから」ともらしていた。

 ウォリアーズはアメリカへ帰国後、トレーニングキャンプとプレシーズンゲームをこなしてレギュラーシーズン開幕へ向けて準備を重ねていく。その過程で、トンプソンはどこまでコンディショニングを強化できるのか。19日(現地時間18日)に行われるロサンゼルス・レイカーズとの開幕戦で、元気な姿を画面越しで観ることができることを願いたい。

 文=秋山裕之

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