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3年ぶり通算8度目の開催となった「NBAジャパンゲームズ2022」は、さいたまスーパーアリーナで3日間合計6万人以上もの観客を動員して幕を下ろした。
今回は2021-22シーズンにNBAを制したゴールデンステイト・ウォリアーズと、19年に日本人史上初のドラフト1巡目(9位)指名でNBA入りした八村塁が所属するワシントン・ウィザーズという最高の対戦カード。
9月30日の第1戦は96-87、10月1日のサタデーナイトをはさんで行われた2日の第2戦では104-95と、試合はいずれもウォリアーズがウィザーズに勝利した。
両チームの選手たちは試合前のウォームアップから高精度なショットを連発し、高い身体能力を駆使していとも簡単に空中へ舞い上がってダンクをたたき込むなど早くも会場に集まった大勢のファンを沸かせ、世界最高のプロバスケットボールリーグかつ極上のエンターテインメントであることを示していた。
第2戦ではウォリアーズのドレイモンド・グリーン、ウィザーズの八村が試合前にコート中央に立ってファンへ挨拶し、ケボン・ルーニー(ウォリアーズ)とクリスタプス・ポルジンギス(ウィザーズ)のジャンプボールでティップオフ。
82試合のレギュラーシーズン(公式戦)とは異なり、プレシーズンゲームということもあり、主力が30分以上コートに立ってプレーすることはなかったものの、ウォリアーズではステフィン・カリー、グリーン、ルーニー、アンドリュー・ウィギンズ、ジョーダン・プールという、昨季優勝を成し遂げた主力が共演したことは豪華そのもの。
ウォリアーズならではのボールムーブメントと選手たちのスクリーンやカットで自慢の連係プレーから点を積み重ねていき、ベンチスタートの若手のモーゼス・ムーディーやパトリック・ボールドウィンJr.、新加入のドンテ・ディビンチェンゾや昨季ケガで全休していたジェームズ・ワイズマンも活躍。
対するウィザーズも、八村だけでなくモンテ・モリスやポルジンギス、ウィル・バートン、カイル・クーズマという先発陣がいずれも20分以上プレーし、新チーム形成に向けて貴重な試合経験を積んでいた。
クォーター間やタイムアウト中には両チームのDJが本場NBAのムードを作り上げ、各チームのダンサーたちによる妖艶なパフォーマンスやチケットのアップグレード、大画面でこの日ファンが履いてきたキックスが映し出されるなど企画満載で、観客を飽きさせない演出も健在だった。
この2試合で、ウォリアーズではクレイ・トンプソンとアンドレ・イグダーラが2戦とも欠場。ウィザーズではバートンが第1戦、ブラッドリー・ビールが第2戦を欠場と、フルメンバーではなかったとはいえ、NBAでも1、2を争う人気と実力を誇るカリーやプレーメイカーのグリーン(ともにウォリアーズ)、ビールとポルジンギスというオールスター選出経験者に八村、モリス(いずれもウィザーズ)らがコートで躍動したのだから、日本のファン、そして選手たちにとっても大きな価値があったのではないだろうか。
ただその一方で、トレーニングキャンプ開始からわずか数日後にアメリカから日本へ10時間以上のフライトで移動してきた両チームにとって、今回のジャパンゲームズは異国の地でチーム練習に臨みつつ、観光したり、メディアの取材に応じるなど、過密日程だったことも事実。
そうした中で、両チームの選手たちがコート内外で見せてくれた対応は、プロフェッショナルと呼ぶにふさわしいものだった。今回のジャパンゲームズに出場した選手たちだけでなく、日本へ来てくれた選手たちやコーチ陣、チームスタッフといった大勢の方たちには感謝しかない。
来年か再来年、あるいは数年後になるかもしれないが、またNBAという世界最高のエンターテインメントを体験できるジャパンゲームズが実現することを楽しみに待ちたい。
文=秋山裕之
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