2023.07.19

カリーがゴルフトーナメントで優勝…好調の理由は「レイカーズに負けたから(笑)」

ホールインワン達成、セレブリティートーナメント優勝とゴルフでも魅せたステフィン・カリー [写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が、ゴルフのセレブリティトーナメント「アメリカン・センチュリー・チャンピオンシップ」に出場し、見事優勝を果たした。

 カリーは家族ぐるみでのゴルフ好き。オフシーズンは積極的に大会に参加しており、その腕前はアメリカの男子プロツアーに参戦するほどだ。ゴルフ誌の表紙を飾り、ビデオゲーム『ゴルフ PGAツアー 2K23』へ出演するなど、ゴルフ界で最も著名なバスケットボール選手の1人として知られている。

 2022-23シーズンは惜しくもNBA連覇を成し遂げることができなかった。しかし、アマチュア大会での初戴冠によって、その雪辱を果たした。

 大会中、最もファンを熱狂させたのは、7月15日のホールインワンだった。舞台は7番ホールのパー3、静寂のなか放たれた一打は、美しい孤を描いてピンへと一直線。そのままカップインすると、カリーは興奮のあまり帽子とグローブを投げ捨てて、ファンの待つグリーンへ向かい、熱狂を共有した。

 しかし、稀代のシューターによるドラマは、これで終わらなかった。

 ツアー最終日、カリーは2011年に全米オープンを優勝したテニス選手のマーディ・フィッシュと首位の座を争っていた。エッジウッド・タホ・ゴルフコースの最終18番ホールに到達した際、カリーは3アンダーでフィッシュの背中を追いかけていた。

 そして、迎えたクラッチタイム、4度のNBAチャンピオンは2オンに成功。会場が固唾を飲んで見守るなか、カリーはグリーン上で緊張のパッティングを沈めてイーグルを達成した。このホールはパーでのフィニッシュとなり、カリーは最終盤にまるでブザービーターのような大逆転劇を演じてみせた。

現役アスリートの優勝は5人目 [写真]=Getty Images

 カリーは、自身初のセレブリティートーナメント優勝について、喜びを露にした。

「プロとしてゴルフをプレーしているわけではないけれど、優勝を夢見ていた。僕はこのトーナメントに約10年間出場してきたけど、この瞬間はそれに見合った結果だと思う。本当に特別だよ。ボールをかなりしっかり捉えられていたので、チャンスがあると感じていたよ。パットも驚くほど落ち着いていたね。最後の5フィートはスローモーションのようだったよ」

 また、なぜここまで好調なプレーを続けられたかというキャスターからの質問については「(ロサンゼルス)レイカーズに負けたからだよ(笑)」と、カリーらしくユーモラスに返答した。

 カリーは、本大会34年の歴史で史上初の黒人チャンピオンに輝いた。また、現役アスリートとしては、2000年に優勝した元NFL選手のアル・デル・グレコ以来5人目、バスケットボール選手としては、サクラメント・キングスなどでプレーし、指導者としてもデリック・ローズブレイク・グリフィンをスターへと成長させたヴィニー・デル・ネグロ氏以来2人目の快挙となる。

 抜群のショットセンスと、カップへの距離感。歴代最高3ポイントシューターのスキルは、競技が変わっても一級品のようだ。

文=Meiji

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